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聴覚障害のあるわたしが、【みどりの券売機プラス】を筆談で利用してみた。

たとえばわたしが、「そろそろ旅に出ようかな」というのは、だいたい衝動的な思いつきで。その場でお宿と交通手段を調べてエイヤっと予約を済ませてしまう。あるいは。

そんなときでもやっぱり、少しでもお安く旅をしたいじゃなあい……と思う気持ちはもちろんあるので、特に新幹線や特急を使うときは乗車券を障害割引で購入する。

身体障害者手帳の所有者は、片道の営業キロが100キロを超える場合に乗車券を購入する際、半額で乗車券を購入できるのです。(ありがたい……‼︎)

JRの窓口「みどりの窓口」の係員さんはみんな優しくて、必ず筆談で丁寧に対応してくれるし、ときたま手話のできる方もいらっしゃるので切符の購入や変更は本当に安心してできる。

本当にすごいなと思うのは、最初から「筆談してほしい」とお願いをすると、「口読めますか?」とか「少しだったら聞き取れますか?」みたいなことは言われないところ。ちょっとした確認も、全て筆談もしくは手話。

普段は、音声を聞き取ったり相手の口を読み取ったり手話をしたりといろんなコミュニケーション手段を組み合わせながらやり取りを楽しんでいるわたしも、役所関係やお金が動くときは別。聞き間違いや読み取り間違いをすると困るので、こういうときは基本的に筆談でやり取りをしている。

なんだけど。ここ最近、「みどりの窓口」の有人窓口が相次いで閉鎖している。

夏に旅先で乗変をしようと思った駅にも有人窓口がなくて。そこから一番近い有人窓口までは、電車で40分。しかも、目的地とは逆方向。

というわけでついに、遠隔システムコールセンターを通じてきっぷの発行を行う「みどりの券売機プラス」を利用する機会がきてしまった。

聴覚障害のあるわたしは、特に機械音の聴き取りが難しい。そのため、電話はもちろんこういうお金が絡むタイミングでは使えないのでこの「コールセンターを通じて」なんて枕詞のついた機械とは、無縁だろうとどこかで思っていた。

もうこれは、改札のところにいる駅員さんに通訳をしてもらわないといけないのか……いやでも、ただでさえ人のいないこの駅で何分も駅員さんを独り占めするなんて到底できないぞ。と、初日は乗変を諦めて宿に戻ってしまった。

でもやっぱり、目的地を変更したい。と、お昼過ぎの時間に余裕のあるタイミングで挑戦。(やり取りには有人窓口の倍は時間がかかるだろうなと思ったので。)

機械に近づいてみると、「オペレータは筆談で対応します」とのひと言が。なんと‼︎聴覚障害者がこの機械を使うことは、JRの想定内らしい。これはなんだか、いけるかもしれない。

緑色のマークは、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表す「耳マーク」

恐る恐るコールセンター呼び出しボタンを押すと、数秒でコールセンターの方のお顔がモニターに映った。すぐに、事前に用意していた

【聴覚障害があるので、筆談で対応してほしいです】

というメモをモニターに置く。ここまでは、有人窓口のときと同じ。

すると、画面越しの係員さんがマスクを外して「OK!」と指でサインをしてくれた。ほう。これは、いけそうな気がするぞ。

そこで、あらかじめ購入していた乗車券と行き先を変更したいことを打ち込んだiPhoneの画面を提示し、手持ちの切符をモニターに映す。(身体障害者手帳も手元にあったけれど、購入時に提示をしているから今回は映さなくても大丈夫とのこと)

そして、元あった切符を券売機に入れて差額をお支払いしたらあっという間に乗変手続きの済んだ切符が出てきた。この間だいたい15分。

丁寧に一つひとつ筆談で確認してもらいながらの変更だと、有人窓口でもこれくらいの時間はかかる。だから、「みどりの券売機プラス」でも、時間的にも質的にもほとんど変わりなくサービスを受けることができてしまった。

なーんだ。「コール」と書いてあるもんだからもう勝手に「聴覚障害のあるわたしには無理だー!」と諦めてしまっていたけれど、そんなことはなかった、と拍子抜け。

幸いにして自宅の最寄駅の「みどりの窓口」は閉鎖されず係の方と直接やりとりができるけれど。でもまた、旅先でひょいと行き先変えようかなとか乗る電車変えようかな……となったときは一日寝かせたりしないでまたあの機械の前に立ってみよう。

他にも、わたしたち聴覚障害者が使える「コール」を見つけたらまた紹介します。読者の方で、「こんなコール、使えそうだよ!」があれば、こっそりコメントやDMで教えてください。挑戦しに行きます。 

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