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君が笑えば、解決することばかり。

都内から電車に揺られて1時間ちょっと、神奈川は小田原。それから丘をぐんぐんと、ちょっと息切れしながらついたその先に、年中野菜や果物が採れるという地元の人たちから愛される農園「Farm house HamaYou」へやってきた。

秋といえば、
BBQ、焚き火、星空……

そろそろ、わたしとわたしの周りの人たちだけがこそっと集まって、心地よい時間を過ごしたっていいのよね。と、心躍らせながら【Private Event】と書かれた小道を歩いていく。

わたしが到着した頃にはもう8割くらいのメンバーが到着していて、農園の方々のご厚意で園内の散策をしたり収穫体験をしたりするところだった。

そして実は、この農園の方々も今回のメンバーも、リアルでお会いするのは、はじめて。

もちろん声質も口の形も読み取ったことのない人たちばかりなので、集合してから1時間くらいの明るいタイミングは、口の形や声質を覚えるチャンス。とりあえずその場にいる女子たちと幹事の口元を大体把握して、湘南ゴールドやバナナペッパーをわいわいと収穫したところで、陽が落ちてきた。

ちなみに、この農園の方の口型がめちゃくちゃ読み取りやすくて。遠くにいても何を話しているのか大体の内容を掴むことができたもんだから「さんまりちゃん、めちゃききとれてるやん!」ってなっていたと思うけれども、序盤の農園ツアー中は多分ほとんどお耳ではききとれなかった。ずっと、読み取ってた。

農園ツアーが終わってそれがあまりにも楽しかったから「わたし補聴器付けてて聞こえにくいんですけどね、口の形が読み取りやすくてすごく助かりました!」って伝えに行ったらめっちゃ喜んでくれた。「ありがとう」は口にしないと伝わらないし、伝わるとみんな嬉しい気持ちになるものなのね。

いよいよ始まったBBQ。幹事のメンバーを中心に美味しいお肉や海鮮をジュウジュウと焼いてくれて、バリスタたち(現役バリスタが2人もいたのです!)がコーヒーを淹れあい、それをカメラ好きたちがパシャパシャと撮る、というとても和気藹々とした時間が流れていった。

「〇〇が焼けたよー」みたいな掛け声は分からないけれど、周りのみんなが何か焼けるたびに、肩をトントンとたたいては「〇〇、食べた?熱々でおいしいよ」と教えてくれたので、もしかしたらあの場の誰よりも、一番良いタイミングでおいしいものたちを食べていたかもしれない。ありがたい……‼︎

これも、集合前に幹事の友人がわたしのnoteをみんなに送ってくれていて、それをみんなが読んできてくれていたからで。


「音のない世界と音の世界の狭間」はわたしの中では当たり前な日々だけれども、もちろん、音の世界とはちょっと違った常識のもとに生活をしている。

多分、みんなが思っている以上にわたしはきこえていないし、きこえている。だから、お互いがそのすれ違いで嫌な思いをしないで生きていけたらいいなぁと思っているし、そのひとつの足掛けにこのnoteを書いているので、幹事の友人がこのnoteをみんなに紹介してくれていたということもとってもとっても嬉しかった。

お肉はおいしいし、焚き火はあったかいし、星空はきれいだし、なんて幸せな秋の夜なんだろうと、ふとボーッとしていると、聞き覚えのある音楽が流れてきた。

髪の毛の匂いを嗅ぎあって くさいなってふざけあったり
くだらないの中に愛が 人は笑うように生きる
くだらないの中に 星野源

ギターを鳴らす子の周りに人がひとり、またひとりと集ってみんなが嬉しそうに歌っている。わたしも、この曲は補聴器を通して何度も何度も聞いたことのある曲なので、歌詞カードを指差してもらえばききとれるし、音痴でよければ歌える……‼︎(お酒も入ってるしね)

ギターの生演奏を聴きながら焚き火を囲んで、星空を眺めて……なんて贅沢な夜なんだろう。そして、この世界は「わたし、みんなみたいにきこえないから音楽とか分からないし」とシャッターをガラガラ閉めていたり、「さんまりちゃんが分からなくてかわいそうだから音楽はやめよ」と周りが遠慮しすぎても絶対に実現しなかった世界なわけで。

帰り道、ギターを弾いてくれた子に「すっごく楽しかった!」と伝えると「さんまりちゃんのnoteを見てね、音楽も良いかなって思ったの。Spotifyのプレイリスト、参考にさせてもらったよ」とのこと。

確かにあの「くだらないの中に」はInstagramのストーリーで使ったことがあった曲だし、そのほかに演奏してくれた曲も、どこか聞き覚えのあるメロディーが流れていたと思う。

というのも、わたしは本当に、何度も聴いたり楽譜や歌詞カードを眺めたことのある「知っている曲」以外は聴き取れない。だから、わたしの耳に「そういえばほんのりギターの音が流れていた気がする」のほぼ全てはわたしの知っている曲なわけですよ……‼︎うれしい。

君が笑って、わたしが笑うには、わたしたちがお互いの世界を知りたいと思い合える世界が必要で。でも、それって、理屈で考えてしまうと火に近づけすぎたマシュマロのようにすぐに焦げてしまう。コンロでマシュマロ焼くと焦げちゃうのに、BBQの焚き火にあてるとちょうど良い柔らかさになるの不思議よねぇ。

だから、日々のくだらないの中の積み重ねの延長線上で、この夜のように、じっくりプックリとろっとおいしいマシュマロを焼けるようになりたいな、なんて思った良い出会いたちでした。

本当に本当に、とても贅沢な秋を過ごしてきてしまった。
一生分の青春を、使い果たしてしまったかもしれない。

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