eスポーツがスポーツかを未来のゲーム像から考える
eスポーツコーチングプラットフォームGamerCoach代表のsanma3です。
よくある議論で「eスポーツはスポーツか」という議論があります。私はこの議論に関してeスポーツの未来像、テクノロジーが進歩した時にeスポーツがどうなるのか?という視点から「eスポーツは未来のスポーツである」というサイドに立ち今回の記事を書いていきます。
eスポーツはスポーツではない派の意見
スポーツではない派の人の意見は多くが「eスポーツは身体を使った遊びではない。だから囲碁や将棋のようなマインドゲームに近い」という主張です。これは現在のeスポーツの形から考えるともっともな主張だと思います。
現在のeスポーツは2次元平面(or 曲面)のディスプレイに投影された映像をマウス、キーボード、コントローラー、スマートフォンのタッチパネルといった入力デバイスを用いて指先の入力を元に操作を行います。そのため多くの体の動きを必要とせずほとんど頭脳、反射神経のみで戦っています。
しかし私はこの考え方は非常に近視眼的で今の形だけでスポーツではないと結論づけてしまうのは未来のディスプレイ、入力デバイスの進歩を考えていない意見だと思います。
入力デバイスの未来
現在のゲームへの入力はボタンを押したり、タッチパネルを操作したり、ジョイスティックを倒したりと機械に対して伝える情報は指先の動きのみに依存しています。そして、それをベースに多くの人がeスポーツがスポーツか否かを語っています。しかし、入力デバイスは進化し続け指先の動きだけでなく全身で入力デバイスを操作しうるようになると思います。
レーダーでの入力感知
上の動画はgoogleが開発したSoliというレーダーを用いた入力感知デバイスです。まずは動画を再生して数秒見てみてください。
これは親指と人差し指の動きを電波を飛ばし検知してデバイスに直接触れずで指の動きを検知することが可能にしています。
動画内ではつまみを持つような動きで音量調整、タッチパネルを操作するような動きで画面のスライドを行なっています。
加速度での入力感知
こちらはAR × Sportsとしてすでに普及しているHADOです。
HADOのディスプレイはARゴーグルの視界全体に広がるディスプレイで入力は手に持ったコントローラーで動きを検知して攻撃、ガードを行います。
入力はボタン操作 + 加速度センサーを用いた腕全体の動きです。
AIを使ったポーズ認識
これからはカメラが入力デバイスになるかもしれません。近年DeepLearningの普及により画像解析の分野が発達しています。上の動画はOpenPoseという技術を用いた画像認識の動画です。これを使えばカメラで人間の動きを撮影し例えば剣を振る動作や銃を撃つ動作、エイムなどをカメラに向かって体を動かすことで実現可能になるかもしれません。
現在の入力デバイスはボタンのみですが上記3つの例のように指先の動き全て、加速度をセンシングした体の動き、カメラで撮影された体の動きのように体で表せる動き全てが入力になっていくでしょう。
ディスプレイの未来
現在のeスポーツで普及しているディスプレイは2次元平面にRGBを1920*1080のような一定の解像度で表示しているものですがこれは今の時代における一つのディスプレイの形でしかありません。
3次元ホログラフィックディスプレイ
Looking GlassはAR/VRゴーグルを必要とせず3次元の映像を楽しめるホログラフィックディスプレイです。3次元のデータを扱う開発者向けの使用を想定されていてCADデータなどを出力させ2次元ディスプレイには不可能な操作なしに視点を変えて物体を見ることが可能です。
空中に浮かぶ3次元映像
動画のディスプレイはレーザーと粒子を用い空中に映像を映し出しています。
ディスプレイが発達していくにつれ壁や地面、そして空中といった空間全てがディスプレイになっていきます。
音響ディスプレイ
Holographic Whisperは超音波を利用した音響ディスプレイです。
空中に音の焦点を作り出すことにより空中のある一点のみに聞こえる音を作ります。
これにより同じ空間にいるに人に体に装着するデバイスなしでそれぞれ違う音声情報を届けられます。
まとめ
これらの技術は多くが研究途中でまだゲームに応用されているわけではありません。しかし遠くない将来ゲームの入力、出力が変わり2次元ディスプレイと指先の操作のみによる入力でのeスポーツは古かったと言われる時がくるかもしれません。
ここで私の好きな元Overwatchプロdafranの言葉を置いておきます。
意訳:ゲームやeスポーツは歴史がまだ20年ほどと短くその大きさについて考えるのは馬鹿げています。50−100年後のことを想像してみてください。きっとサッカーや野球より大きくなっているでしょう。
私自身もそう思っています。
現在の形式のみで考えるのではなくまだ歴史が短く出来たばかりのeスポーツですが技術の進化を考えるとリアルスポーツを凌駕する可能性を秘めています。
eスポーツはただのゲームではなく身体で表現できる情報を使った電子機器を用いた拡張されたスポーツと私は認識していますが実際そうなる未来は遠くないでしょう!
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