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私がパワポを作る理由

経験に基づく理由(=私側の都合)

私は前職で営業統括をしていました。自分でも営業マンとして動くこともありましたが、自分個人のノルマを達成するのではなく、担当エリア全体の目標を達成するためにいろんな施策を打つ仕事です。
業務の一環で、営業マンが取ってきた案件の確度を上げるため、提案(および提案書)を作る事が多くありました。また、社内で推進管理に関する資料も毎日のように作っていました。

私にとって、パワポの好きなところは、
①メッセージを論理的に組み立てる
②図示することで伝わる
 
この2点の気持ちよさです。

退職後、他社の資料を制作代行する仕事を始めました。
はじめの頃は「②図示することで伝わる」こと、つまりブラッシュアップを頼まれていましたが、次第に「①メッセージを論理的に組み立てる」ことの依頼から、そもそものメッセージ作りから携わらせていただくようになりました。

実現したいビジョンに基づく理由(=世の中に貢献できること)

zoomでお話したことがある方はご存知かと思いますが、私は話すのが非常に苦手です。営業マンとしても社内調整役としても挙動不審でダメでした。当時最年少で参加したプレゼン合宿も、一番聞きにくかったと思います。
いわゆる「トーク術」…笑顔とか身振り手振りとか日頃の根回し、みたいなスキルの必要性は、わかっていてもとうとう習得できずじまいでした。

しかし、それでもどうにか成果を上げられたのは「①メッセージを論理的に組み立てる ②図示することで伝わる」パワポを武器に持っていたからだと思っています。

パワポを強化することで、コミュニケーションが苦手な人の力になることができます。
(情緒的な言い方をすれば)話し方こそ覚束なくても、人前で緊張しても、スライドがそれを補う役目を果たします。
(機能的な言い方をすれば)先端に立つ個人のスキルに左右されず、商材そのものの魅力で勝負できるように水準を一定に担保することができます。

私は、「何かを伝えたい人」の心強い味方になるパワポを作りたいです。

みんなが想像する「営業マン」は一部の超優秀層
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私がパワポで作るもの(=実現したいビジョン)

現在依頼いただくパワポは、会社説明資料/営業資料/採用ピッチ/株主総会/セミナースライドショー等があります。
そのほか「ワークライフ経歴書」というサービスもやっています。

この経歴書はイラストやカラフルな色でただ目をひくだけではありません。
あくまで根底は「パワポ」なので、その価値は「①メッセージを論理的に組み立てる ②図示することで伝わる」ことにあります。

経歴書の依頼者様から、「私の平凡な人生が見違えるようになった!」と言われたことがありますが、経歴を盛ったり、無いものをあるように見せたりはしていません。書いてあることは全てその方が行った実績です。
ストーリーと図示次第で、魅力が伝わるようになります。
また、その方自身が語りやすい形になり、ご本人を勇気づけることになります。

会社の商材を売るよりも、自分自身をアピールし売り出すには自信が必要だと思います。トークや伝え方が不足しているというだけで、本来の魅力が伝わらないのはもったいないことです。
ギャップを埋め、適切なマッチングを成立させることが必要で、ここでもやはりパワポが貢献します。

ビジネス書類と経歴書は畑が違うようですが、実現したいビジョンという意味では私の中では一貫しています。

今後

私はデザインで人を幸せにするとか、笑顔を増やすといった大それたことは掲げられません。そもそも、デザインがよく言う「人を動かす」みたいなことは、実はおこがましい思想だとさえ思っています。
ではなぜやっているかと言えば冒頭に書いたように「好きだから」で、それが世の中の求めることと一致すれば幸いというスタンスです。

ただし私のパワポデザイン業は、あくまで承認(顧客の受注や上層部の許可)を得る目的からスタートしました。
例えば子供のころから絵を描くのが好きでデザイナーになった人とは異なり、1pxのパスの線にこだわりグラフィックを描くようなデザインはできません。
そういう意味ではデザイナーとは言えないのかもしれません。

デザイナーとして表層の美しさにこだわることはもちろん重要ですし、私はもっと学ばなければならないと思っています。
またパワポはツールなので、今後どんどん自動化・民主化されていくはずで、生きていくためには他分野にも手を広げていかなければならないのかな、という後ろめたさみたいなものもあります。

私は、
①メッセージを論理的に組み立てる ②図示することで伝わる 
の気持ちよさを満たし、
「何かを伝えたい人」の心強い味方になる、
・ギャップを埋め、適切なマッチングを成立させる、
他の手段を見つけたら、パワポ業は卒業するかもしれません。いや、卒業を目指さないといけないのかもしれません。

ただ、まだまだもっとパワポの面白い有効活用法がある気がしていて、せっかくだから思いつく限りはやれるところまでやってみたいとも思います。
一年後にはよく検討できるように、2023年いっぱいはまだパワポ業を頑張りきりたいと思います。


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