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Novelbright - 「ツキミソウ」

高音で爽やかな歌声が特徴的なバンド「Novelbright」。The First Takeでも歌われたこの曲を今回は考察していく。ちなみに「ツキミソウ」の花言葉は「無言の愛情」「移り気」「虚ろな愛」など。ここから、失恋ソングだということがわかる。

過去の苦い思い出

出会いと別れ 繰り返す度 心をすり減らす
記憶をかき分けた先に 滲んだ思い出が待つ

あなたを知らない世界の方が
ずっとマシだったと笑う
いつしかすれ違う日々の中で
本音隠しながら気づかないふり

恋をする度に過去の苦い思い出が顔を覗かせる主人公。「あなた」と相手を呼んでいるから主人公は女性か?そんな「あなた」とは本音を隠しながらすれ違っていき、最終的に別れてしまったのだろう。

茜色のこの街眺めては
こんなにもあなたのこと思い出してばかり
忘れたいのに 今更素直にはなれない
分かってるんだよ 今も心は泣いてるよ

別れてしまったのに「あなた」のことばかり思い出してしまう主人公。忘れたいのに忘れられない。それはまだ「あなた」に未練があることを「分かってる」からなのだろう。

未練が残る主人公

季節を超えてあなたはまた
世界を奪っていく
感じるぬくもりがそっと
私の未来も奪う

時計の針は突然止まる
あなたが告げた言葉で
どうしてここでひとりなんだろう
流した涙の意味を ねぇ教えてよ

日々が過ぎていっても、主人公はまだ「あなた」のぬくもりを感じる。別れを切り出された時から、主人公の中の時間は止まってしまい前に進めないでいるのだ。そして「あなた」が最後に流した、「涙」がずっと心の中に残っている。

ふたりでいたこの道歩いても
もう二度とあなたのこと思い出しはしない
忘れるように愛した証を投げ捨て
また新しい日々へと歩き出す

2番サビで主人公は、とうとう「あなた」のことは「思い出しはしない」と決意する。これからは過去の日々を忘れ、新しい日々へ歩き出していくと決めたのだ。

前に進み、過去を振り返る主人公

鼓膜が破れたっていいよ
結んだ髪をほどいて
悲しみから解き放つために叫んだ
優しくなれる心が欲しいよ

凍えそうだよ 寂しさ嘆いても
大好きで大嫌いなあなたはもういない
巻き戻してあの日に戻れるのならば
伝えたいけど今はもう遅いかな

今までの悲しみと決別するために叫んで、主人公は前に進んでゆく。悲しさに浸っても、「あなた」はもう戻ってこないことを受け入れたのだ。

茜色のこの街眺めては
こんなにもあなたのこと思い出してばかり
忘れたいのに今更素直にはなれない
分かってたんだよ ずっとあなたを求めてた

ラスサビは1番サビと似た構成になっている。しかし最後の行、1番では「分かってる」だったのに対し、ラスサビでは「分かってた」へと変化している。主人公は気持ちを切り替え、過去の悲しみに打ちひしがれていた自分を客観視できるようになったのだろう。

まとめ

別れを受け入れられない主人公が自分と向き合い、最終的に前を向いて歩き出すという王道の(?)失恋ソング。しかし絶妙な言い回しによって深みが出ている歌詞となっている。過去を振り返るのもいいが前に進むことも大切、このことをこの歌詞から学べたと思う。

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