ボクらはいつも刺激を求めている #炭酸が好き
やぁ!ボクはノド!
誰のって?もちろん君のさ!
おっと、下を向いても見えないよ。
自分のノドは鏡に映さなきゃ見えやしない。
待って。わざわざ鏡に映してボクの姿を見る必要はないよ。まじまじ見たら見たくないものまで見えちゃうかもしれないからね。
ボクはね、いつだって刺激を求めている。
上の階に住む、舌の話を聞いてくれるかな。
舌のやつはとてもわがままなんだ。
「甘いのがいい」とか「甘すぎる」とか「辛いのがいい」とか「しょっぱいのがいい」とか、とにかく文句ばかりいうやつなんだ。
その点ボクはどうだ。
ボクが求めているものはそう多くない。
・大きすぎないこと(つまっちゃうからね!)
・熱すぎないこと
それから刺激だ。
ボクには味ってやつが分からない。
ボクに分かるのは「熱い」「冷たい」「パチパチ」そのくらいだ。
初めて「パチパチ」が流れ込んだ日は驚いた!
驚いて、うっかり舌のやつに戻そうか迷ったくらいだよ。ちょっと痛かったな。
でもいつからかな。
ボクを流れていくものが、「熱い」「冷たい」の2択じゃなくて「パチパチ」も選べると知ってしまったら。
ボクはその「パチパチ」に惚れ込んじゃったんだ。
最初は小さな「パチパチ」も痛かった。
だけどだんだん小さな「パチパチ」じゃ物足りなくなって、もっともっと強い「パチパチ」が欲しくなった。
キーンと冷えたパチパチならもっといい。
外が暑くてボクの外側がじっとりと汗で濡れている時、ボクの内側を冷たいパチパチが流れる瞬間。「ボクがボクであることに最高の喜びを感じる時」なんだ。
ボクはいつだって刺激を求めている。
舌のやつは「甘いパチパチ」とか「苦いパチパチ」とか「味のないパチパチ」とか、よく分かんないことを言うけれど、ボクにしてみればパチパチは強いか弱いか、冷たいかどうか。
味は分からなくても、パチパチが分かるボクで良かった。
ボクに耳があるかどうかってことはさておき、プシュワ!!って音が聞こえるとボクは自然とゴクリとなる。プシュワ!のあとにはお待ちかねのパチパチがやってくる。さぁ早く!パチパチが小さくならないうちに強くて刺激的なパチパチをボクに!
ゴクッゴクッゴクッしゅわわわわパチパチパチパチ
ここまで読んでくれた君なら分かってくれるかな。ボクの退屈な毎日に、パチパチの刺激がどんなに大切かってことをね。
大事なことだからもう一度言うよ。
ボクは、いつだって、刺激を求めている。
そういえば、熱いパチパチっていうのはこれまで感じたことがないんだけどそういうのは無いのかな?