推薦図書「本当の戦争の話をしよう」

おすすめの本の紹介です。

著者ティム・オブライエン(1969年2月から70年3月までベトナム戦争に歩兵として従軍)が、その従軍時の経験をもとに書いた短編集がこの「本当の戦争の話をしよう」です。この題の通りこの短編集は彼が従軍した際の生活や、考えていたことなどが細かに書かれていています。

特長的な短編は英語の原題になっている「The things they carried(兵士たちの荷物)」です。この短編には彼ら兵士が実際に運んでいた装備や、個人的な荷物などがエピソード共に書かれています。またベトナムから帰還した兵士を書いた「勇敢であること」は、直接戦闘などを書いた物ではありませんが個人的には一番印象的でした。

アメリカに大きなショックを与えたベトナム戦争を描いた作品は多いですが、実際に従軍した兵士の方による作品は少ないように感じます。彼らは何を感じ、何を持って戦場へ向かったのか。文庫本で価格も手頃であるとともに、村上春樹の訳も自然です。ベトナム戦争を知るにあたって欠かすことのできない作品ではないでしょうか。


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