ひまわり

昔 そこの角のところに
ひまわりって言う
喫茶店があって

ぼくは
わたしは

いつも そこで
じゃあ またね
っていって

うちに帰ったんだ

寄り道をせず
肩に鞄を下げて

ぼくも
わたしも
幸せが何なのか

そんなことは
考えたこともなく

ひまわりのように
あぜ道を
雑草に触れたりして
突き進んだ

あたたかい追憶

ひまわり
ひまわり
ひまわり

僕は
わたしは

あそぶことが大好きな
こどもだった

幸せがなんなのか
考えたこともなく

幸せの歌を得意に歌う
ひまわりだった

そこの角の
喫茶店は
もう ずいぶん前に
取り壊されて

そばのあぜ道も

全部 全部 全部
まるごと なくなったけど

なくなっても
ぼくも
わたしも

あの頃
ひまわりだったんだ

#詩 #詩作#詩人#詩を書く#ひまわり#幼い頃の記憶

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?