あれは
朝焼けだったか
夕焼けだったか
もう 忘れてしまったけど
あの 光の加減とか
雲の上にいる時間は
果てしなくて
晴れでも くもりでもない
どっちつかずの空を横切る
飛行機を
わたしは 眺めている
あきらめに似た
淡い希望みたいな何かが
カップの底に 溜まって
冷めた珈琲をすする
わたしは
もうきっと あなたたちには
会えない
こんなに
重大な事実を
気がつくでもなく
判ったことだと
若い自分に過信していた
自由は
わたしの手の中に
在るのか
まぶたをとじて
もう一度 記憶をたどるも
ついに あれは
朝焼けだったか
夕焼けだったか
思い出せずにいる
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