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記憶の中の波間にゆれる

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#タイムラグ

くちなしの花

あ、くちなしの花のにおい、と
祖母が言った

有るのか無いのかわからないような
ほそい釣り糸のような
そんな香り

この日から
くちなしの香りは
祖母の香りになった

このまま 錦市場に行って
お魚を買って帰ろう

くちなしの花の香りは
じんわりと 汗ばんだ肌に まとわりつく

今年も 京都の夏は とてもあつい
#詩 #詩を書く#タイムラグ#ポエム