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月が泣くとき

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書き溜めた詩を まとめています。
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#旅の準備

廃墟

いましがた 
誰も近寄らない 学校のプールに

冷たくなった水に

つまさきだけ 浸してみて

かつては
騒々しいほどの
整列された泳ぎを
けたたましい 笛の音を

ここであっただろう事を
反芻してみる

そう昔のことではないのに
つい最近のことなのに

枯葉が一枚
浮かんでいるだけで

ここは もう 廃墟と化したんだな、と

次の夏が来るまで
なにをして 過ごそうか
#詩 #詩作#詩を書く