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すべて忘れてしまうから

何者でもない僕の記憶と体験の集積が
何者でもない僕を大切にしてくれる。

人間全ては覚えてられないのだから、書こう。
人は日々沢山のことを覚えて、同時に忘れてしまう。記憶はその人たらしめる個性だとよく言われるけど、それが曖昧になっては何が僕たらしめているのか分からなくなってしまう。

忘れてしまうから、書こう。
思い出すために、書こう。
自分の為に、書こう。

筆者の口癖は、"覚えていない"とか"忘れてしまった"とかだった気がする。その記憶さえ曖昧だ。
なんてったって読破したのはもう2週間ほど前のことだから。
でも、確かに覚えてることがある。

それはこれを読んで少し気持ちが軽くなったことだ。

最近僕はすごく悶々ともどかしく感じる日々を過ごしてた。
何者にもなれない、何も見につかない日々と自分に煩わしさをかんじていた。
日々どうやったら何者かになれるのかと考え続けていた。

でもこの本を読んで気づいた。
何者にもならなくてもいいのかもしれないと。

その代わりと言っては何だが、日々の取るに足らない感情や気持ちを何かの形で累積していき僕を僕たらしめる方がいいのではなかろうかと。
その累積が僕を作っていく。

きっと書いてしまえばすぐにまた忘れてしまうに違いない。

でもこれを見れば思い出せるように。
自分の記憶や気持ち、風向きが何故今の方向を向いているのか。
それを再確認する時にも便利だし。

忘れてしまうから、書こう。
思い出すために、書こう。
自分の為に、書こう。

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