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アタッチメント・パターンの再構築――関係(情動)外傷と発達障害

発達障害は、今日、あらゆる領域で聞く言葉になりました。

周囲の子どもや人の、あるいは自分自身を発達障害かもしれないと見立てたことは、もしかしたら、多くの人が一度はしたことがあるかもしれません。

それくらい、子どもや他者の「わからなさ」について、私たちは知りたがります。

そもそも「わからない」とはどういうことなのでしょうか。土居健郎によれば、ひとつには、自分にとって馴染のあることは「わかる」という感覚をもつのに対し、「わからない」という感覚が生じるのは、そこに異質さがあるからです。

私たちは、自分にとって異質なものに出会うとき、不安を感じます。その不安を軽減するために、わかろうとします。けれども、それは一方的なものであって、双方向的に関係を築いていくものとも、相手に共感することとも違います。

話を戻すと、発達障害という見方に対するアプローチには様々ありますが、早期のアタッチメント・パターンを修復していく関係的なアプローチが、近年注目されているもののひとつです。

「三つ子の魂百まで」という言葉は日本のものですが、生物学・心理学・精神分析から総合的に母子関係を治療してきたアラン・ショアによれば、人間にとって2歳くらいまでの母子(養育者との)関係が、極めて重要であることがわかってきました。

子どもを育てている、あるいは育ててきた親御さんが、子どもにまつわる悩みを通して、自分と子どもとのかかわりを振り返えるのはとても難しいし、ときには痛みを伴うでしょう。

けれどもそれは、子どもだけでなく、ご自身にも豊かなメリットがあるはずです。

もしかしたら、子どもは、それを教えようとしているのかもしれません。

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