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母子のこころとからだを健やかに育む

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記事一覧

子どもが教えてくれる「喜びを他の誰かと分かり合う」こと

夕暮れどき。たくさん遊んだあとの、お友だちとのしばしの別れ。 ある子は「ジュースを買いた…

ケアの手触りが抜け落ちた社会の中で、できることについて

戦後、日本では人間が「生まれる場所」と「死にゆく場所」が自宅から病院へと大きく転換しまし…

お母さんになったあなたへ

新川和江さんの詩集の中に、「赤ちゃんに寄す」という詩があります。 ご自身が母親との関係で…

目を合わせてくれない子どもが伝えたいこと

子どもの発達をご心配されているお母さんと子どもとのかかわりを見ていると、子どもがお母さん…

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母と子のための精神分析――「親になるということ」にともなう心の変化について

ダニエル・N・スターンという精神科医は、『母親になるということ』という本の中で、次のよう…

娘をカウンセラー代わりにする母親に育てられた女性たち

よく、娘をカウンセラー代わりににしている母親がいます。けっこうたくさんいて、びっくりするほど。 「私たちは友だち親子なのよ」という方もいますが、親子は友だちではありません。 親子は、水平関係よりも縦関係である方が、健全です。縦関係とは、決して親が権威をもっているとか、子どもは親の言うことを聞くべきということではありません。子どもが守られ、生活スキルを身につけ、人間として他者と関わっていくうえでの心のしなやかさやルールを身につけていくには、親が人間として成熟しリーダーシップ

産後、子どもを手に抱きつつ、青い夏空を見上げながら、世界に取り残されたと思った鍼…

私が子どもを産んだ助産院には、いま思えば、自分の出産体験をありのままにお話しされる方がけ…

「父性」についての心理的見解

私が大学生の頃、アメリカに短期留学して家族社会学で初めて小さな論文をまとめたときに、ユン…

「全能的な母親という空想物語」と「支配と承認をめぐる戦争」について

母親は、自分が欲しいものを与えてくれる万能な母親ではなかった。 と、子どもが発達段階にお…

はじまりは産後から。産後は女性と家族のアイデンティティが変化します。

産後うつ、産後クライシス・・・。子どもの誕生という喜ばしさとは裏腹に、統計的には結婚・出…

「子育て」について考えられるようになった時代に寄せて

気づけばときは令和。 私が生まれたのは昭和で、息子は平成。 時代がこれほど変わっているの…

弱くあることの力とフェミニズム

「フェミニズム」を「権利ばかり主張するうるさいやつ」と認識する人が多いことを、最近、体験…

母性をめぐる誤解と対立を超えて――「良質な母性」とは

第二次大戦後(もっと言えば明治期から)、日本社会は西洋近代文化を取り入れていくという方向を選んだ。生活様式や生活水準という物理的側面は劇的に変わった。しかし、心性など内的側面はまだ追いついてきていない。いまなお過渡期だ。 西洋の個人主義が取り入れられていく過渡期の時代に、日本では「母性」についてアカデミズムや社会運動で議論が盛んにおこなわれた。平塚らいてうなどの初期の女性運動家の中には、「母性」を尊重することを主張する人もいたが、その後の議論のほとんどは「母性」は社会的に構