マガジンのカバー画像

母子のこころとからだを健やかに育む

19
運営しているクリエイター

記事一覧

他者を孕む主体の倫理

金井淑子さんは『依存と自立の倫理――〈女/母〉の身体性から』で、本質主義を恐れずに、「母…

母なるものからの社会批評――中村佑子『マザリングーー現代の母なる場所』より

社会学者ジョン・アーリは『社会を越える社会学』という本の中で、もっぱら男性の時間となって…

アタッチメント・パターンの再構築――関係(情動)外傷と発達障害

発達障害は、今日、あらゆる領域で聞く言葉になりました。 周囲の子どもや人の、あるいは自分…

子どもが教えてくれる「喜びを他の誰かと分かり合う」こと

夕暮れどき。たくさん遊んだあとの、お友だちとのしばしの別れ。 ある子は「ジュースを買いた…

ケアの手触りが抜け落ちた社会の中で、できることについて

戦後、日本では人間が「生まれる場所」と「死にゆく場所」が自宅から病院へと大きく転換しまし…

お母さんになったあなたへ

新川和江さんの詩集の中に、「赤ちゃんに寄す」という詩があります。 ご自身が母親との関係で…

目を合わせてくれない子どもが伝えたいこと

子どもの発達をご心配されているお母さんと子どもとのかかわりを見ていると、子どもがお母さんと目を合わせなかったり、回避的な行動をとったりする様子があるように思います。 それで、お母さんはご自身の子育てに自信をなくされたり、ご自身を責められることもあるのですが。 子どものそうした行動の背景には、子どもの「お母さん、ほんとうのことを言いなよ」という、母親への働きかけがあるようにすら感じることがあります。 現代社会で子どもを育てるということはけっこうたいへんなことがあって、みん

ご予約ご希望の方へ

大切なお知らせです。 ご予約・お問い合わせフォームからのお問い合わせができない場合、誠に…

母と子のための精神分析――「親になるということ」にともなう心の変化について

ダニエル・N・スターンという精神科医は、『母親になるということ』という本の中で、次のよう…

娘をカウンセラー代わりにする母親に育てられた女性たち

よく、娘をカウンセラー代わりににしている母親がいます。けっこうたくさんいて、びっくりする…

産後、子どもを手に抱きつつ、青い夏空を見上げながら、世界に取り残されたと思った鍼…

私が子どもを産んだ助産院には、いま思えば、自分の出産体験をありのままにお話しされる方がけ…

「父性」についての心理的見解

私が大学生の頃、アメリカに短期留学して家族社会学で初めて小さな論文をまとめたときに、ユン…

「全能的な母親という空想物語」と「支配と承認をめぐる戦争」について

母親は、自分が欲しいものを与えてくれる万能な母親ではなかった。 と、子どもが発達段階にお…

はじまりは産後から。産後は女性と家族のアイデンティティが変化します。

産後うつ、産後クライシス・・・。子どもの誕生という喜ばしさとは裏腹に、統計的には結婚・出産はストレスの高い出来事でもあります。 近年は、コロナ禍でこれまで身内のことだからと隠されてきた家庭環境のうみが明るみに出てきたこともあり、社会的な注目度も以前より高まってきました。 当相談室にも、子どもがずいぶん大きくなってから、にっちもさっちもいかなくなった方がご相談にいらっしゃいます。 産後ガルガル期といわれるように、産後は女性ホルモンのオキシトシンが子どもへの愛情を深めるとと