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切り傷を侮るなかれ。

右鼻付け根にできた切り傷。
約11年前の夜中に、実家の階段から落ちて眼鏡が壊れた時にできた小さな傷。
ただの切り傷だから、と病院には行かず自分で処置したように思う。

今から約2年前だろうか。
その切り傷が、黒いホクロのようなものに変わる。
最初は気にしていなかったが、母や妹が私の顔を見て「ゴミがついているよ。」と言い出してから、少しだけ気になるようになった。

そして近くの皮膚クリニックへ。
大きさを測定したり、カメラでホクロの写真を撮ったり、ルーペでホクロの様子を見たり。
その結果、「良性だと思うから。」と様子見になった。
そのクリニックへは2回通院しただろうか。

その後、洗顔や眼鏡の鼻の部分に触れる度に指が自然とその場所にいくようになった。
私は両眼緑内障があることから、眼科にも通院しており、主治医から「目の腫れ」を指摘されるようになり、消化器内科の主治医にも同様の話をされるようになった。

そんな中、右目のまぶたが痒くなり、赤くなったため眼科で診てもらい塗り薬をもらうも治らず、その眼科に隣接するスキンケアクリニックに行き、まぶたの痒みの塗り薬を処方してもらう。
2回目の受診時、痒みが治まり通院終了となったため、ついでに鼻の付け根のホクロについて相談した。
ホクロの大きさを測定、ルーペで見たりカメラで撮影等を終えた後、主治医が言った。
「良性だと思うけれど、10年前位の切り傷が一昨年位にホクロになるのが気になるから、念のため大きな病院で組織を検査したほうがいい。」と。

主治医が書いてくれた紹介状を持って、総合病院に行ったのが11月初旬。
クリニックと同じ診察の後、医師が一言。
「取ろう。良性だとは思うけれど、今日組織を取ろう。日帰りで。」

私「今日?今?ここでですか?手術?」
とは言ったものの、外来の生検室で研修医によって局所麻酔をされ、紙をパンチするような機械で組織を取ったのだ。

病理検査結果は1週間後から、結局約3ヶ月かかって告げられる。
『中間悪性でした。』
病名も告げられた。
とても珍しい検体で、様々な方法で病理医が丁寧に調べてくれたらしい。

病名は、世界的、日本でも稀な症例の大変少ないものだった。

主治医から、これからの検査、手術、他部位に転移した場合について話があるも、なんせ症例数が少なく顔のため、主治医ともサクサク話は進まず、自分で決めなければならないことがたくさんあるのだ。そして私は基礎疾患もある。

明日から検査が始まるのだが、閉所、暗所、爆音、振動が苦手な私。
アナフィラキシーショックになったこともある。
PET-CTに入るのは苦痛でしかない。
この検査結果は2週間後。

キンプリの岸くんのことだけを考えて、明日の検査を乗り越えたいと思う。

にしてもあれだ。
私は難病だったり未知なる病だったりと、もしかしたら困難を乗り越えたり、病と向き合える選ばれし者なのかもしれない。
そう思い込むしかないのだ、たぶん。
あーあ、また良性の胃ポリープが増えそうだ。(1月の特定健診で、6個だったポリープが14個に増えていた。)


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