ほしのこんぺいとうハンター
くまくら珠美さんの三作品を読んだ。
「ほしのこんぺいとうハンター」
「そらのきっさてん」
「そらのゆうびんやさん」
つぐちゃんはひとりで歩けない。でも眠ると相棒のハリーとの探検が始まる。食べるとすごくおいしくて、夢がかなうお月さまを目指して。一生懸命なふたりの前に「そらのきっさてん」の雪男(猫です)が現れる。「そらの世界」は本来、下界での人生を終えたものたちがいるところだが、つぐちゃんはティアドロップ号という乗り物を与えられ、「ほしのこんぺいとうハンター」になるのだ。ほしのこんぺいとうはほしのかけらでできていて、おなかがぽっと温かくなるという。「そらのきっさてん」では、お客さんの願いのぶんだけほしのこんぺいとうを入れ、それぞれにぴったりなメニューを雪男さんが出してくれる。みな下界のにんげんの家族を想いながら暮らしているのだ。
少し警戒しながら読んでいたが、やはり「そらのゆうびんやさん」で泣けてきた。そらと下界を行き来するゆうびんやさんのマリオ。そらで暮らす動物たちに、下界で愛用していたモノを届けている。それはにんげんの家族たちとの大切な思い出の品々だ。
いぬには下界のお母さんが買ってくれて、眠るときはいつも愛用していた毛布が届く。大喜びしたいぬはカットしてもらった自分の毛をお母さんのそでのところにくっつけて下さいとお願いするのだ。
群れからはぐれ、にんげんに助けられ、兄ねこと一緒に育てられたライオン。体が大きくなり草原に戻されても、にんげんのお父さんと兄ねこを思い出していた。ある日、お父さんの友達だと思ってしまったハンターに撃たれて死んでしまうのだった。このライオンには小さい頃、兄ねことお揃いでつけていた首輪が届いた。代わりにライオンの大きなつめのさやを届けてもらうのだ。ペンダントにして身につけてくれることを願いながら。
時がたつにつれ お届けものが減ってくるかもしれない
でも忘れられてしまったわけではない
少しずつ悲しみがやわらいで
そのひとの体の一部になり
もっと優しい気持ちになっていくのです
マリオの終わりの言葉に涙があふれた。いずれ必ずやって来る別れの時。
後悔しないよう、たくさんの愛情をもって触れ合っていきたい。
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