見出し画像

2022サンガに足りなかったもの(シーズン振り返りnote③)

シーズン振り返りnote第3弾

第1弾では、スプリントを武器にJ1残留を勝ち取ったこと
第2弾では、「ハイプレス×ショートカウンター」以外に武器がなく、来季のJ1を戦うために課題がたくさんであること
を見ていきました。

今回のテーマは、武器の一つになり得る「外国籍選手」について。
検証していくのは「外国籍選手の重要性」です。

感覚的に重要であることは誰でも分かっています。では、データで見るとどうでしょうか。外国人選手はチームの成績に影響を与えているのでしょうか。
見ていきましょう。

J1全体の外国人選手稼働データ

チーム別の、外国籍選手の総出場時間(分)です。

相関とまでは言えませんが、外国人の出場時間と成績に一定の関係が見られます。外国人の出場時間数ランキングの、+-3位くらいの順位に落ち着くチームが多いですね。

一方で、当然ながら例外もあります。

数字が青色は良い方の例外。一貫したチームスタイルを洗練させる広島と湘南が、外国人に頼らず成績を作れています。外国人に依存し過ぎないために必要なことのヒントが得られますね
(広島は外国人監督が飛び抜けて優秀ですが…)

数字が赤色は悪い方の例外。福岡・G大阪・清水の3クラブ。
福岡とガンバはエース候補と目した新加入FW(ルキアン・レアペ)が大きく期待を裏切ってしまいました。
清水は総出場時間は多い一方で、シーズン途中での移籍加入が多く、チアゴ・サンタナ以外に安定して出場できた選手がいませんでした。フィットしきる前にシーズン終戦を迎えてしまっています。

当たり前の話ですが、外国人が多く出場するだけで勝てるのではありません
出場時間は最低限のベースで、違いを作る能力とチームフィットも重要な要素です。

優勝した横浜FMや2位の川崎Fは外国人の入れ替わりが少なく、外国人が偏りなく出場できています。
外国人枠の活用であっても前季からの継続と改善が重要なのです

サンガにおける外国人選手稼働率

サンガ所属の外国人選手、最終的に登録されていたのは7人。これはマリノスと同じ数です。実際のどれの出場時間はどのくらい確保できたのでしょうか。

最低の基準を10試合相当の900分で換算すると、基準に到達したのはたった2人。ウタカとメンデスだけ。

次いでパウリーニョとイスマイラですが、3番手でも5%程度しか出場できていません。そして残り3人は0%台でした。
マルティノスは乱心のイメージが強すぎてもっと多いかと思ってたよね

全員の稼働率を合計しても100%ちょっと。
要するに、ピッチにはサンガの外国人選手が1人、多くても2人いるかどうかの状況でフルシーズンを戦ったことになります。
そりゃ厳しい戦いになるわな...と感じてしまいました。

外国籍選手の獲得は難しい

違いを作れるスキルがあり、J1で戦うチームにフィットする選手。すなわちそれは「J1で確固たる実績がある選手」となります。

ただ残念ながら、そんな選手はあらゆるチームで欲しい選手。ニーズ高く競争になる選手を取るにはお金がかかります。

資金力あるチームとの競り合いになってしまう外国人選手において、稼働率を高めることは容易ではありません。
Jリーグ全体でも「SSRが出るまで外国人100連ガチャキャンペーン」なんて揶揄されるチームは一定存在します。外国人獲得はとても難しい。

そう考えると、前シーズンで多少なりとも目途が立った(大活躍はしていない)選手を残すのは、ある程度合理的な選択肢なのでしょう。

ギャンブルとリスクヘッジのバランス。言うは易く行うは難しですが。

さいごに

エクセルで「日本代表経験あり」のタグが付いている選手全員にオファーかけてるのか…?
と思わされる以前と比べると、サンガにおける日本人の獲得は大変成長しました。

しかし一方で、外国人選手の獲得は拙いままです。J1で実績を積んだウタカやバイスの活躍に隠れがちですが、独自に獲得したほとんどの選手が活躍できていません。いや、満足な出場時間すら確保できていません

成績に直結する重要な要素である外国人選手に、何を期待してどんな活躍をしてもらいたいか。
リスクをどこまでテイクして、どのようにヘッジするのか。
2023シーズンの残留における重要なテーマになりそうです。

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?