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辿り着いたスタートラインの手前 J1第2節vs名古屋グランパス マッチレビュー

惨劇の開幕戦から1週間。
前節を受けての今節のポイントは「開幕戦からどれだけ前に進んだか」です。監督や選手が何を問題と考え、限られた時間でどこを改善したか。

開幕戦から進歩がなかったり、この期に及んで「相手には合わせない。自分たちのサッカーを」と口走るようであれば、今シーズンは想像以上に辛い戦いになってしまうでしょう。
仮に3ポイント取れたとしてもです。

中身を見ていきましょう。

試合サマリー

前半

大きな変化としては後ろの枚数。4枚→3枚でのスタートに。
4バックに若原を加えた5枚でのパス回しを、相手のFW3枚で分断された(≒2枚分の数的不利を作り続けた)前節の反省を活かしました。

後ろを削って中盤を手厚くすることで的とコースを増やし、ある程度高い位置取りに成功。前節と比べるとスムーズにビルドアップできました。鹿島と違って相手のプレスが甘くて単発だったことも要因です。
ハイプレスも同様に比較的マシな内容に。これも、相手が中途半端に繋いでくれたからです。
前節よりは良くなった。と感じられたのは、改善によるものと相手の質によるものとで半々くらいでしょうか。

とはいえ、ハイプレスを外されたときの被決定機までは予防できず。相手のシュートミスや若原のセーブに救われました。良くも悪くも去年と同じ。
ユンカー・マテウス・永井の3人にスペースを与えてしまうと、そりゃチャンスになるよって話です。

後半

膠着気味だったところで失点。62分に中央を崩されて永井から。意外な形の気はしますが、あれだけチャンスを作られれば何かしらは決まるものです。

失点後はブロックを作ってカウンターを狙う名古屋の狙い通りに。ある程度の形は見えましたが、自分たちで決定機創出には至らず。相手のミスから得たチャンスも決めることはできず。

空いた中盤のスペースを基にカウンターを受けることになりますが、若原のセーブもあり0-1のままで試合終了。
開幕2連敗となりました。

総括

開幕戦からの改善はありました。とはいえ、自身のアプローチによる改善が全てではなく、単に相手の違いによる変化と感じられるものも多々。

何より…。ようやく「去年に近いところまで持ってこれたかな」まで来ました。しかし、曺貴裁政権は3年目・J1は2年目で、大幅前進どころか後退してしまっている事実は素直に受け入れがたいものがあります。

FC東京戦に向けて

少しではありますが改善が見られました。
キャンプで何をしていたのか?そんな思いは胸にしまって、FC東京戦も見守りたいと思います。

このチームを大きく改善するものは何でしょうか。シンプルに目に見えた結果=3ポイントであると考えています。

問題点が多すぎて分析が難しいときこそ、センターピンは何かを考えるべきです。試合を見ていると明らかにパス・トラップの精度に問題があり、自信のなさと迷いからミスが生まれていることが伺えます。

技術的には去年もイマイチではありました。しかしここまで酷くはありませんでした。短期的に技術が落ちるとは考えにくく、メンタルの要素が大きいのではと仮説を立てています。

自信で全てが解決するわけではありません。が、まずはきちんと戦えるコンディションを整えないと話が進みません。
FC東京戦は「改善」と「結果」の両面を軸に見ていきます。

個人評価

若原 6
ビッグセーブでチームを救いました。足元のミスが減った…のはボールを触る回数が減ったからであり、それは信頼のなさによるものです。武器も課題も明確なのであとはやるだけ。

麻田 5
まずは顔に書いてある「私は自信を失っています」を消すところから。引きずってフワフワしてしまっている。ロストして失点したこと以上に良くない。いったん外してあげるのもの麻田のためなのかな…と思いました。

井上(OUT:77) 5
復調を待っています。切実に。開幕戦よりは良くなりました。しかしまだまだです。過去記憶にない途中交代がパフォーマンス評価の全てでしょう。

アピアタウィア久 5.5
魅せる身体能力。溢れるロマン。時折現れる軽率さはあれど、今のDFラインには必要不可欠。とはいえ真ん中からボールを受ける時のポジションは要改善(低くて真ん中に寄りすぎ)です。向上していきましょう。

川崎 6
スタートは開幕戦のような自信のなさを見せていましたが、時間が経つにつれて俺たちの川崎颯太が戻ってきました。プレーに集中できればこれくらいやれる選手です。壁であるキャプテンの重圧を乗り越えられるか。
特にボール奪取がキレキレ。もう少し広く捌いてほしいところですが、それはチーム事情もあるので置いておきます。

金子(OUT:77) 6
動くけれど動きすぎず。コース作りと長短捌きに徹して前に出る川崎を支えました。武田にない良さを感じます。加入して1番のパフォーマンス。3バックの真ん中も任せてみたい。

白井 6
ようやく本領発揮の気配が見られます。昨季とは違って、パトリック用にクロスを適応させている(早くて低い→ゆったり高い)あたりも流石。数少ない武器なのでもっと生かせる形を作りたい。

佐藤(OUT:77) 5.5
昨年よりは改善が見えました。とはいえ、J1でスタメンが相応しいレベルかというと...。もう1段階2段階伸びが必要です。特に止めて蹴るの基本的な部分。
偉そうで申し訳ない。ですが率直な感想です。

一美(OUT:58) 6.5
1人だけ別空間でプレーしている。と感じさせる体のキレと落ち着き。常に攻撃の起点になり続けてくれました。「これ、一美がケガでもしたら...」が顕在化してしまったのは「とてもつらい」以外に言葉がありません。

豊川(OUT:67) 5
昨シーズン終盤戦の活躍には心から感謝してますが、チームの命運を左右する場面にならないとエンジンがかからないのは困りものです。効果的なプレーができていません。
セットプレーの精度にも注文を付けたいところですが、豊川をキッカーにしているチームに問題があるのでやめておきます。

パトリック 5.5
決定機逸2回の助っ人FW、どうしても厳しい評価になります。「もう見たくない」ではなく今後の期待を込めての採点です。
相変わらず流石の空中戦。動きのもっさり具合もコンディション向上で改善されていくでしょう。次は頼みます。

山崎(IN:58) 5.5
開幕戦と違っていいポジショニングが見られました。攻撃に守備にと起点になれる場面あり。あと、白井の良さを引き出せそうな気配がしました。単騎でどうこうするタイプではないものの、白井との連携が望めるなら優先順位が上がりそうです。

谷内田(IN:67) 6
よい。相変わらずとても良い。収めて捌けて運べて戦える貴重な存在。中盤ながら「俺が流れを変えてやるんだ」って気迫が見れるのも◎です。じきに結果も出るでしょう。ぜひ頭から。

パウリーニョ(IN:77) 5
効果的な動きはなし。活かせていないチームにも問題はありますが...。あと、あの場面で相手を後ろから蹴ることに何の意味があるのでしょうか。単なる愚行です。

イヨハ(IN:77) なし
採点ナシは悪い意味じゃないですよ。あの時間で出てきた後ろの選手は採点できません。J1初出場でしたが無難にこなしてくれていたと思います。
(チーム都合で恐縮ですが左サイドバックにチャレンジしてみませんか...)

荒木(IN:77) なし
「左からカットイン→シュート」が基本スタイルなので、パウリーニョと大被り。共存が難しそうと感じました。右CBへの魔改造は終わりでしょうか。

チョウキジェ 5
開幕戦からメンバーとシステムを大幅入れ替え。継続性を捨ててまで選んだ結果のリターンは0ポイント。
2節にしてようやく「昨年の土台が見えてきたかな」のレベルにまで到達。

若原のセーブと相手のシュートミスがなければ、早々に崩壊していたシナリオも見えました。昨シーズンの問題に対して無為無策で新シーズンを迎えた(ようにしか見えない)ことに対する不信感が強い。2連敗の結果以上に。

組織の改善は先になりそうですが、せめて失った自信だけでも取り戻させてあげてください。Rev upに向けた意思は見えたので東京戦でも継続を。

敵ながらあっぱれ賞(相手チームMOM)

ランゲラック
去年のPKストップからずっとサンガの前に立ちはだかってくれています。トラウマになりそう。

内容は以上です。
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