安齋 實之助

好奇心のままに、

安齋 實之助

好奇心のままに、

最近の記事

柵のない球の上で(3)

1815文字 球の位置とか  前回は、住人は球のことをもっと知るべきでは?ということについて書きました。  今回は、球の上の住人として、もう少し球について理解を深めたいと思います。といっても、大したことは知らないので、住人として享受している事に繋がる、表面的なことについてです。  住人は球の上で、さまざまな偶然の影響を受けている。強烈なものから、微細なものまで、いろいろとあるのだが、部分的に拾いながら、気持ち悪がってみよう。  まず、代表的なものといえば、朝と夜が一番

    • 柵のない球の上で(2)

      1875文字 球のこと  前回は、球の上の住人は、実験用のネズミの話に、入れ替わっていたような、話になってしまった。  少し興奮すると、話が少々逸れる?のは、ご愛嬌ということで。  今回は、球自体について、住人の一人が思っていることを書いてみる。  球とはいったい何なのか、それは言うまでもなく、我々が住んでいる球である。  球の上では、球自身が引き起こす、変動によって、さまざまな事態が、住人の身の回りに起こる。実際、住人はまだ球のことを、球の正体を見ていない(知ら

      • 柵のない球の上で(1)

        1469文字 球の上の住人  柵や囲いは、自由ではない事の象徴であり。しかし、柵や囲いがなくても、自由を享受できているのか、と言えばどうであろうか?  今日も私は、いつものように目が覚め、しばらくテレビを眺め、今近場で起きていること、世界のどこかで起きていることを見つつ、身支度を整え出勤をする。  別に出勤したいわけではない。そう、それは、やむにやまれぬ事情があるからだ。しかし、それはうまく説明しようとしても、最終的に説明に詰まってしまう。なかなか説得力のある説明が、で

        • 文字数の割には、全然中身のない話2

          2208文字 後悔(小道)  人の住む場所には、道はつきものだ。四方を他人の土地に囲まれた場所には、家を建てることはできない。どこかは道につながっていなければならない。それは小道ではなく、出入り口だ。それはどうでもよい。  住宅街を散歩していると、好奇心をそそられる道と遭遇することがある。大体そんな道は、先がどうなっているのか見えない道だ。 突き当りを曲がった先に何があるのか、家なのはわかっているのだが、見てみたくなる。  少し考える。  この道の先は袋小路になっていて、

        柵のない球の上で(3)

          文字数の割には、全然中身のない話

          3324文字 いつもの時間  6:20分に玄関を出て、エレベーター扉の右袖にある、下矢印のボタンを押す。1分も経たないうちに、エレベーター扉のローラーの音がして、縦長の網入りガラスの入った二枚引戸が、左側の壁に飲み込まれ、エレベーターが口をける。  敷居レールを踏まないように、二歩目を大股で中に入る。左袖にある、エレベーター内の操作盤に体を向け、1を押して、閉じる矢印のボタンを押し、扉のローラー音がして、少し体が軽くなる。  床が上に上がっていくのを、何回か確認する。足に

          文字数の割には、全然中身のない話