文字数の割には、全然中身のない話2

2208文字

後悔(小道)

 人の住む場所には、道はつきものだ。四方を他人の土地に囲まれた場所には、家を建てることはできない。どこかは道につながっていなければならない。それは小道ではなく、出入り口だ。それはどうでもよい。
 住宅街を散歩していると、好奇心をそそられる道と遭遇することがある。大体そんな道は、先がどうなっているのか見えない道だ。
突き当りを曲がった先に何があるのか、家なのはわかっているのだが、見てみたくなる。
 少し考える。
 この道の先は袋小路になっていて、絶対そこに住んでいる人しか使わない道だったりするんだろうな。
 ここへ入っていくのは、セールスマンか郵便配達員か周辺住人だけで、もし私がここに足を踏み入れたら、少し先で、ガラガラと戸の開く音がして、小さなおばさんに、この不審者はここへ何をしに来たのだろうか、という視線を感じながら、でも、見ていないかもしれないから、そのオーラを感じつつ、
「あっ、ここってこんな感じなんだ。」
と音にはしないまでも、そんな風の演技をするか、この辺で物件探してますの体で、なんか探検に来ました。と心で言い訳をする雰囲気を醸し出す。までは想像ができる。
 だが、いい年になってくると、ただの不審者にしか見えないから、その好奇心を満たすことはできないのだ。ゆえに、最近散歩の途中で、見つけた小道の先を見ていないし、住宅街の探検も、全然していないのだ。
 
 そんな私の好奇心を、満たしてくれる小道が、私鉄の線路沿いに、一道ある。
 その小道は、住宅街の小道ではなく、昔、周辺住民が近道として使っていた感じの小道で、私の踏み入れたい小道とは、かなりタイプが違うのだが、ただ小道感は、十分に備えているので、ある程度満足はできる。

 そこは、線路沿いを南へ行くと十字路になっている、右は住宅街へ続き、左は線路とその先のバス通りに出る道で、踏切部分は、車がすれ違うことが、出来ない幅になっている。そして、正面がその小道である。最近は朝と気分転換時の散歩コースとして私の中では定番なのだが、初めに通った時のことを思い出しつつ書いてみようと思う。

 その小道の入り口?は、バイクの侵入を防ぐ意図がありありとわかる、車止めポールを道と平行に、二本設置してある。(ギリギリ自転車が、通り抜けられる程度、少しよれると、ペダルがポールにあたるぐらいの幅)
 この小道全体の道幅も狭い、大人なら二人並んで少し余裕があるくらい、小学生なら三人並ぶとキチキチになるくらいと想像できる。

 入り口?側から奥を眺めると、道は緩やかに右に湾曲している。
 まず、先ほど紹介したポールがあり、左側には貸倉庫(コンテナ)、右にはマンションがある。

 コンテナ側は、細めの鉄管が二段で渡してあり、緩い柵のように軽く主張している。(上下に、しの字状の太めの針金が溶接されている。一部、針金を上下ジグザグにひっかけているので、柵として成り立っている。)
 マンションとの境は、植え込みとなっていて、道側はコンクリート擁壁が続いている。植え込みの奥は駐車場のようだ。

 その先、左側には得体の知れないビニールハウスがあり、二段の鉄管は、建築廃材で、扉やトタン壁で作られた簡易の塀(勝手に私が思っているだけ)に替わり、土地を囲っている。
 左の路肩は、10センチ角程度の縁石が並べられ、道側は2~30センチ幅のコンクリート舗装になっている。これは入り口から続いている。
 簡易の塀と縁石の隙間から、草が少し低いほうの地面から生えているように見えるので、左の路肩は崩れやすいのかもしれない。
 簡易の塀が終わると戸建の基礎部分のコンクリートと土留めのコンクリート壁が、この小道の終わりのほうまで続いている。小道が周りよりも、一段低く谷底のような地形になってからである。

 右側はマンション先に、一軒家の外壁が並んでいる。その家部分は大人の歩幅で15歩ぐらいの幅で、ど真ん中にお勝手のような、片開き扉がついている。その先は、高さ2メートルほどの土留め擁壁があり、直上に戸建てが並んでいる。それが小道の終点となる家の手前まで続いている。
 簡易の塀から10メートルほど進むと、大きく湾曲していた道が、左に軽く、くの字を描く、15mほど直進し、左に湾曲しながら7・8m進み、右に軽く曲がりながら、徐々に登り始め15mほど進む。傾斜のまま、右に軽く振れ5mほどいって、少し左に5mほど進むと小道の終点になる。そこには2.5mくらいの梅の木があり、花が散るころは地面が真っ白になるのだ。
 
 それ以外の特徴といえば、街灯が見当たらない(見落としている可能性がある)ことと、おそらく俯瞰で見ると、ひらがなの”そ”のグミの端を、強めに引っ張っ伸ばした感じに、見えるのではないだろうか。と想像できる。あえて感覚だけで語ることにする。あくまでも私のイメージである。

 書いてみてわかったが、道マニアの方には申し訳ないが、道は特徴がなさ過ぎて、どう書いていいのかわからなかった。これはきっと私自身の知識のなさと、道に対する興味のなさがもたらしたものだろう。それでも今の時点で、学びたいとも知識を深めたいとも、思ったわけではないことを、申し上げておきましょう。
 途中、これを書こうと思い立った自分を後悔しました。

 しかし、タイトルに違わぬ出来である。と思う。

終わり

2024/3/3  さね


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