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わた詩

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感情の極値の吐き捨て
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#創作大賞2024

夜ごきげんよう

夜ごきげんよう

夜こんばんは
貴方と少し慣れてきた

小さい頃
高くて見えなかった貴方
真っ黒なスーツの脚しか見えなくて怖かった

夜のネクタイが見えた頃
貴方はまだ駅でよく見かける大人の人だった

夜はじめまして
私の瞳が冬のとき
貴方がはじめて声掛けた

吹雪で駆け出したあのときは
あなたを食べてしまいたいほど憎くて
貴方を見て大きく息を吸った

夜こんばんは
蛙の鳴く季節になったころ
私は貴方とツーショット

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菜の花が散った

菜の花が散った

菜の花が散った
初夏の暑さがやってきて

菜の花が散った
緑の桜の樹の下で

菜の花が散った
野草に背丈を抜かされて

次の黄色はひまわりさん
たんぽぽさんとわたしは飛んでく

4月の天気のにちようび
菜の花が散った
菜の花が散った