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雲南日本商工会通信2020年7月号「編集後記」

 春節休暇のために東京の実家に戻ってから、もう5カ月半が経ちます。非日常だったはずの日本暮らしが、日常に変わりつつあります。日本生活は中国と比べて、コミュニケーションが楽だし、料理は口に合うし、ネットが遮断されていないし、車やバイクに気を付ける必要がないし、道の陥没もないし、靴が汚れないしなど、数多くのメリットがあります。
 しかし私にとっては大きなデメリットもあります。その1つが、気軽にタバコが吸えないことです。日本で吸うのはストレスだらけなのに、電子タバコのIQOSに替えた上で、いまだに吸っています。
 ところで、アパホテルの1泊2500円の『コロナ応援プラン』が6月末までなので、終了前に銀座のアパホテルに宿泊しました。レンタル自転車で街めぐりをする予定だったのですが、雨が降っていたので、仕方なく銀座を少し歩くことにしました。
 ふらふら歩いていると、LOFTと無印良品の旗艦店が並んでいました。すぐ隣にIQOSストアもあったので、IQOSのクリーナーを買うために店に入りました。
 旗艦店らしい、高級かつ洗練された雰囲気の店内。美女らしきマスクの人が近づいてきて、慇懃に接客してくれます。
 「こちら期間限定のタバコなんですが、お試しでいかがですか? こちらへどうぞ」。
 (うむ、くるしゅうない)と思い、カウンターの椅子に座りました。
 「3種類ありまして、2つはメンソール入り、1つはメンソールなしです。海外の著名なシェフとミクソロジスト(調合師)が配合したフレーバーとなっております。一箱のお値段が通常のものより20円お高いのですが」。
 私は普段メンソール入りを吸っているので、2種類のメンソールを吸ってみました。
 「いかがでしょうか?」と美女がにこやかな目をして言うので、「なるほど。メンソール弱めの一番目のほうが、香りを活かせている気がするね。確かに深くていい香りだと思う。……じゃあワンカートンもらおうかな」「ありがとうございます」。
 以上のような会話を経てタバコを買って店を出ました。そして思いました。
 (なるほど、タバコはもう庶民のものじゃないのだ。だいたい、一日一箱吸うとして、一箱500円以上となれば、30日で15000円。サラリーマンの平均小遣いが1カ月4万円以下。タバコを吸っている場合じゃないだろう。今後は葉巻のように、タバコは金持ちの嗜好品になる。IQOSはそれを見越してブランディングをしているのだ。それにしても、若い女性と話をしたのも久しぶりだな……)

 以上、私のヒマこじらせ日記でした。

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