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文学フリマ東京35 新刊「猫屋奇譚 鬼の箱」

11月20日 文学フリマ東京35に山吹屋で出店します。
東京流通センター(東京都)第一展示場・第二展示場Eホール
12:00〜17:00 入場料無料
文学フリマWebカタログ 山吹屋ページ ☜リンク
文学フリマ東京公式サイト   ☜リンク
試し読み 猫屋奇譚なろうサイト  ☜リンク

猫屋奇譚 鬼の箱

新刊 「猫屋奇譚 鬼の箱」価格300円 
本文46項 文字数約5万字 3話収録
・鬼の箱 書き下ろし
・さいころあそび 雪月花 
・桜散らし 
通販boothリンク☞「猫屋奇譚 鬼の箱」通販ページ
通販 山吹屋リンク☞「山吹屋booth」山吹屋の全作品が掲載されてます。

★「鬼の箱」
それは神社の秋祭りだった。俺が生まれ育った村の小さな神社であったが、毎年の皆の楽しみであり大切な行事であった。
鬼の箱と呼ばれていたと山田さんが教えてくれた。鬼がその指先に触れ木彫りの文様が浮かび上がったと、俺が箱を手に入れた後に村の神社の宮司に呼び止められてそう聞かされた。
「聖一さん、箱は手放しなさい。箱に期待をしても無駄です。何にもしてはくれませんよ」

箱はいつでも返したいと寺西さんが思った時に東京陰陽師組合まで連絡をください。取りに伺います。
寺西さんは満月を道しるべに神社は振り返らずにお帰りください。

祭りに出かけた寺西は木彫りの箱を手に入れた。
返さなければならないのだが。

鬼の箱を揺する。カサカサと何かが擦れる音がした。
「東京陰陽師組合の〇〇君と云ったな。まだ居るだろうか」

書き下ろしになります。書きたかった祭りと箱を軸にした秋の奇譚。
気になる箱ってありますか?

あとの2話も紹介
さいころあそびは恒例の正月の木之本さんのサイコロの話。
なろうと本宅ブログでアップしてましたのを加筆修正をしています。
木之本さんと橘と桜でサイコロを振り、梅の木がどうの料亭がどうのと、いつもの感じです。
桜散らしはかなり昔に書いたのをリニューアル。桃月君が夢渡りをして橘に会いに行く話です。
桜散らしより本文抜粋
「自分は乾からの土産だ。受け取るがいい」
凝視する橘。やおらカウンター下からお札を取り出した。
「私の夢に入って来るとは物の怪の類か、それとも誰かの使いか」
目の前で花弁を吹き飛ばした。とっさに背中の刀を抜き防御する。花弁は幾重にも散り店内を舞い、僕の刀にも貼り付いた。

今回の新刊はテーマがあります。さいころの雪月花にならって「鬼の箱」の月、「さいころあそび雪月花」の雪、「桜散らし」の花になります。
そして3話を通じて月は満月で統一しました。


文学フリマ東京35 既刊本

既刊 既刊本詳細はぴくしぶ文学フリマ東京34お品書きにて ☜リンク
・猫屋奇譚シリーズ
★猫屋奇譚 月光の記憶 94項 500円
2014年に発行した『玄冬素雪』改訂版 
和風奇譚小説。猫屋第1シリーズ 
陰陽師橘と烏天狗との転生を巡る恋物語 
『転生を待ち続けた やっと戻って来た貴方は 俺を覚えてくれてはいなかった』
収録
月光の記憶、水無月、七夜月、線香花火奇譚、月光なぞ要らない、
月光の記憶 伍、 喫茶店猫屋は店主療養中につき休業中、 神無月

イベントにて完売しました。次回イベントに合わせて刷り直します。
その前に読み直しを含めまして小説家になろうにて猫屋奇譚第1話「月光の記憶」をアップします。試し読みにもどうぞ。
猫屋奇譚第1話「月光の記憶」☜リンク なろうページが開きます。

★猫屋奇譚怪談 葉月 朱夏 40項 300円 
猫屋の橘はある青年から恋人である葉月を探して欲しいと依頼を受ける。それと共に式にし、刺青にまで入れていた蛇も一緒に探してくれと頼まれた。
思いつく限りの場所を探し回る橘だったが、青年と葉月の過去を知り、何故自分に依頼をしてきたのかに疑問を抱いた。

本文抜粋
「兄さんはこの前の。ねぇ、殺人事件の犯人なの。テレビで見たよ。何人も殺めたって凄いね」
炭酸水をごくり音を立てて飲み、ワンピースの裾で口元を拭う。
男は俺と晴を交互に眺め、俺に狙いを定めたようだ。
「俺を知っているのか。それはますます良くないな。まずは物の怪の兄さんから。御嬢さんは後で俺とお喋りをしよう」
晴は甘ったるい笑みを浮かべ、ワンピースの裾を足の付け根までたくし上げ片足をローテーブルに乗せる。
俺は男から目を離さない。屋敷に住んでいた家族はみな殺されてしまったとテレビでやっていた。もしこの男がそうならば、俺達を生き残りと考え戻って来た可能性が高い。
長刀を構える。室内では俺の刀はその長さゆえ不利だが、このリビングならば平気だろう。洋風の高い天井、周りにはソファとローテーブル、壁際に幾つかの箪笥が置いてあるだけだ。男が腰に下げた徳利に指をかけた。

★猫屋奇譚 吉兆  本文60項 400円
短編集5話収録 WEB再録、過去に出した本から大幅改変、書き下ろしなど
正月から3月にかけての話でまとめました。
・さいころあそび吉兆編
・夜鷹の夢 試し読みアップ中。
・雪消月 
・伊吹 
・弥生 

★「猫屋奇譚 花暦」 価格300円
本文38項
花をテーマにした奇譚短編3話収録

収録 花見・白雨・竜胆
「花見」
アパートのベランダに出ると外には桜の木があった。
「一緒に花見をしないか」誘われる。おかしいとも何とも思わずに部屋を出て花見に加わったが。
ラーメン屋を営む青年は客が話す花見の話と、客を連れ帰る若い男を不思議に思い猫屋の橘に相談をしにきた。
「白雨」
白雨とは明るい空から降る雨。
その昔に僕はある一人の少年と出会った。
「いつか受け取りに来る。持っていてくれ」
その言葉を信じ、僕は少年の朝顔を何年も育て続ける。亡くなった後も僕は待ち続けた。
「竜胆」
会いたい人間がいる。猫屋を訪れた半面の物の怪竜胆。橘は了承し約束をするが。
時を同じくして竜胆の昔の手下達が集結しつつあった。

★「猫屋奇譚 鬼の留守」本文30項 200円
収録 鬼の留守、春一番

迷い家マヨヒガをテーマにしました。
ある帰り道、道に迷った隆志は霧の中に忽然と現れた家を訪ねる。そこで出会ったのは10年も前に亡くなった陽太であった。
もてなしを受け、夢心地で家を出た隆志はポケットに小さな箱が入っているのに気が付く。

一方、家に隆志を上げた陽太は箱が無くなっているのに動揺する。隆志を追いかけ箱を返してくれと迫るが、中身は違ってしまっていた。
2人はそれぞれに陰陽師組合に相談をし、猫屋の橘を訪ねた。

マヨヒガとも迷い家とも云われています。もう一度行きたいと願ってもそれだけは叶いません。でもその家に上がったのは本当ですし、一生忘れないでしょう。

★「猫屋奇譚怪談 半夏生」 本文66項 400円
5話収録 
半夏生、金魚鉢、夏祭り、約束、オルゴール

夏のお盆が迫り、あの世から沢山の亡者が戻って来る。それは物の怪の彼らの世界と交わり交差し、物の怪らが行き交うけもの道にまで入り込む。

その中で意思を持ち戻って来た五名の亡者が主役になっています。何をしに戻って来たのか。誰に会おうとしているのか。そんな怪談になっています。

★ハート国物語クレイジーダイアモンド  122項 500円
不思議の国のアリスをモチーフにした擬人化ファンタジーです。
アリスが去った後のハートの女王様率いるハート国の物語。

映画界に暮らす赤ウサギの招待を受けた時計ウサギ。従者にスペードのエースと9を連れて行く。
同じころ、映画界ではある問題が発生していた。
スペードのエースにうり二つの男が銃を構え、スペードの9は予期せずして同じ顔を持つ男と逃げる事に!
散ってしまったダイアモンドにスペード隊の秘密、2人のエースと9が映画界に騒動を巻き起こす。
そして、もちろん主役の赤ウサギは最前線に乗り込む。

持参予定
☆鉄のクラウス報告書 詳細はぴくしぶにて ☜リンク
『Klaus des Eisens Bericht 鉄のクラウス報告書』
執筆総勢17名  表紙込み62ページ 左綴じ本 頒布価格200円
青池保子先生「エロイカより愛をこめて」愛を語る1冊。
文字あり、イラストに漫画あり、こだわりの記念本になりました。
二次小説・二次漫画のアンソロジーではありません。
本を読み始めた経緯や、どんな個所や誰が好きなどの心の愛を書き連ねています。
エロイカより愛をこめて 45周年アニバーサリー!

こちらを持参する予定です。
猫屋は僅少のもありますが各5冊ぐらいずつ並べるつもりでいます。

無料配布ペーパー「猫屋奇譚 もふもふは何処に居る」
お声をおかけください。


山吹屋 大河内一樹


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