哲学詩: 安息の地

分からない
何も分からない
何もかも分からない
ただ恐ろしく
不気味で
疲れさせ
気が滅入る

疲れ切って
身体を沈ませ
肌が地面にめり込む時
深い溜め息と共に

"私"が生まれる

存在することから逃避し
深い闇に包まれる時

そこに"私"が待っている

他者は敵
"私"を襲い、殺すもの
触れることもできず
抱くこともできず
喰らい尽くそうと迫ってくる亡霊

その眠りから顔を上げて
見えない他者なる亡霊と向き合う時
"私"は消え失せ
そして生きる、活動する、躍動する

生きている時
そこに"私"はいない
"私"は他者に埋め込まれてしまっている

そして生命の交換
霊力の交換がなされると
疲れと飢えを覚える
あらゆるものが剥奪され、倒れ込む
そして闇に逃避し、休息する
その時、その寝床に"私"は根付く

眠りは他者からの解放
安息の地
蘇生の泉

死と生
睡眠と活動
どちらも同質である

それは"私"なき霊力の交換作用
超越的な存在そのもの

"私"はただ他者への恐れと逃避の関係性から生まれ出て、根付く
そして恐れと向き合うことで"私"は消える

生と死は同質である
それは存在そのものの超越的な力が、疲労と蘇生をもたらす場

活動している時も
眠っている時も
そこに"私"はいない

ただ休息する時
存在そのものからもたらされる疲労と蘇生と共に
"私"は生まれ、帰還し、復活する

死と復活と生は同質である
それは経験できぬ超越性
そのいずれにも"私"はいないのだから

眠りと目覚めのまどろみの中にのみ
"私"は生まれ、安息を覚える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?