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情報の非対称性を埋めることが組織には必要

組織とは不思議な力関係で成り立っています。

役職が上の人は、組織全体の決定事項について、なぜそのような決断をしたのか、その決定に至るまでのプロセスを知っています。
一方で現場の人は、顧客からの要望、現場で起こる様々な問題を知っています。

お互いに有益な情報を持っていますが、組織全体の情報を持っている上役の方が立場は強くなります。これは、組織を統率するうえで最も簡単なやり方だからです。

でも本来は、顧客の要望や現場で起きている問題の方が重要です。これらを解決できないとその組織は顧客から見放されます。現場がうまく機能しなくなります。その結果、売上は減少していき、現場からの自発的な意見も減っていきます。

物がない時代、情報のやり取りが難しい時代は、上役の立場が強くなる組織形態で成り立っていたのかもしれません。
しかし今の時代、顧客の要望は多様化しています。
現場も組織の数だけやり方があります。情報のやり取りもスムーズにできる時代になりました。また組織の不都合はSNSなどを使ってすぐに拡散されてしまいます。

時代は変わったのに現場の情報を持たない上役が強い権力を持つ組織は、今後、生き残っていくのが難しいかもしれません。それくらい時代は変わっています。上の人から変わっていかなければなりません。

「だったら現場の意見を聞きたい、もっと意見を出してくれ」
上役はこんなことを言うかもしれません。

でも、それならば
あなたたち上役も情報を開示しなければいけません。

密室で決めて、決定事項だけを現場に伝えるのはフェアではありません。そして意思決定に現場の意見を積極的に取り入れなければいけません。そこまでの覚悟が上役にはあるでしょうか?

「これはみんなに伝えることではない、
知らなくてもよいことが世の中にはある」
そう言ってごまかす上役が多いと思います。

これは本心では、
組織全体における決定事項の詳細をみんなに伝えることによって、自分だけが知っているという優位性が失われるのが怖いだけです。
自分が上役でいられるという武器のひとつが無くなるのが怖いのです。

こんな上役がいたら、現場の人たちは意見を言わないでしょう。
「言っても無駄だから、向こうは言わないのになんで自分たちだけ言わなければいけないのか?」

こうやって組織における情報の非対称性はますます広がっていきます。

だから、そのような上役がいる組織は上役自身の実力がないということですので、組織の発展や存続は難しくなっていきます。
実力がない上役が組織を動かすことほど不幸なことはありません。上役のせいで組織に所属するメンバー全員が不幸になってしまいます。それだけ上役とは責任が重いのです。その重責を果たせない上役がいる組織ほど情報の非対称性が起きてしまいます。

自分が所属する組織において、上役と現場の情報量のギャップを確かめてみてもよいのかもしれません。そのギャップの大小が組織の浮沈を決めることになります。

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