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地球の長い午後

こんにちは!今回も興味のあったSF小説を読んだので、紹介していこうと思います。

地球の生態系や構造が変わってしまった丸っきり違う世界のお話になります。

著者・本

著者は、ブライアン・W・オールディス氏。
本のタイトルは「地球の長い午後」、ページ数は377ページです。
1977年に発行された作品で、原題は「Hothouse」ですが、アメリカ・ペーパーバック版の題名である「The Long Afternoon of Earth」を訳して日本語版のタイトルとしたそうです。
SFの中でも、想像力を発揮し壮大なビジョンを展開している作品となっております。

ストーリー

この星は紛れもない地球ではありますが、僕らの知る星ではなくなってしまいました。
設定として、月の引力が地球の自転活動を遅らせていき、最終的に自転が完全に止まることで、地球の片側が永遠の昼、もう片側が永遠の夜となってしまいます。
また、気温の上昇ともに植物の成長率が高まり、そこに競争が生まれ、暑さに強い植物が勝ち残ります。その植物(ベンガルボタイジュ)は大陸を支配し、それにより生き残った生物はわずかとなってしまいました。その中に人間はいますが、数は少なく、サイズも今の5分の1ほどになり、知能も理解力も衰えています。
そのような世界で、弱い存在である人間の生き様が描かれています。

人間の一人であるグレンは途中、キノコに寄生されますが、その代わりに考える力をグレンに与えてくれます。寄生されたグレンは旅の中で、いくつも災難に遭遇しますが、仲間とともに乗り越えていきます。
生きていくために。

一方で、滅びゆく地球を捨て月に新たな暮らしを求める人間たちがおり、地球と月を繋ぐ糸を張る、巨大な植物蜘蛛を利用し、仲間を救済しようとします。

その時、グレンはどのように考え、行動するのか。

感想

設定がそこまで現実離れしていないので、そこから展開される発想力も受け入れやすく、世界観にすぐにでも浸れる作品だと思います。
特に、作中にでてくる植物などは非常に恐ろしいですが、どこか現実味を感じてしまいます。
人が支配している世界に暮らしているので、こういった作品を読むと興奮とともに、本当にそうなった時を想像して恐怖心が芽生えてきます。しかし、その恐怖心は己を身構えさせるというよりかは、自分だったらどう行動するかなど想像力を掻き立て、胸を熱くしてくれます。SFも幅が広くおもしろいなと思いました。

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