2022年の栃木SCを振り返って

数字で見る2022シーズン

2022シーズンの全日程が終了しました。
栃木SCは11勝15敗16分(17位)得点32失点40
という結果になりました。

振り返ってみると開幕前の宮崎キャンプで集団コロナ感染により十分なトレーニングを出来ないままシーズンを迎えました。しかし開幕から10試合を3勝4敗3分と結果だけを見るならまずまずな成績でした。しかしこの間4試合が無得点という得点力不足が露呈していました。結局この問題はシーズン通して改善することはありませんでした。
第11節~第21節を見ても2勝4敗4分。この間6試合が無得点でした。
シーズン前半は結局6勝8敗7分でした。しかし6勝のうち4勝がウノゼロでの勝利もあり拙攻ながらも堅守で勝利を手堅くもぎ取る戦いが徐々に出来上がりつつありました。
後半戦に入ると22節~31節までを3勝3敗4分。7月2日第24節のモンテディオ山形戦では今シーズン初めて複数得点差(2ー0)で勝つ事ができました。
32節~42節は3勝3敗5分。8月20日第32節のブラウブリッツ秋田戦で今季2度目の複数得点差(3ー0)での勝利。結局2点差以上での勝利は2試合だけに終わりました。逆に2点差以上での敗戦は6試合(第2節東京V戦、第8節金沢戦、第9節新潟戦、第30節熊本戦、第31節新潟戦、第37節大宮戦)ありました。
昇格プレーオフ進出チームに対しては1勝4敗7分なんですが、下位5チームに対しても1勝2敗7分と勝ち点の上積みに失敗しました。逆に千葉、町田、秋田等の堅守速攻を志向するチーム対しては強さを発揮しシーズンダブルとなりました。11勝のうち6勝がこの3チームからですから如何に相性が良かったかを示していると思います。

戦い方に見る2022シーズン

さて今年の栃木SCはシーズンを通して3-4-2-1の陣容での戦い方でした。

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開幕当初のスタメンは瀬沼がワントップで小堀がシャドーでスタメンを獲得しました。何といってもLCBに大森が抜擢されたのも驚きでした。しかしゲームが始まってみると大森も鈴木も攻撃的要素が求められている事がよくわかりました。大森も鈴木もボールを持つと前に運ぶことが求められました。いわゆるコンドゥクシオンです。大森、鈴木が前に出る事によりWBの福森、黒崎が大外から仕掛ける時のサポート役にもなりました。実際黒崎、福森からの良質のクロスが何本も供給されました。それなのに中の仕掛けが結局最後まで不発に終わってしまったのが残念です。それでもホーム最終戦の黒崎の左足のシュート、あれは来季の希望になりそうです(やっと撃ってくれた感が強いですが)もし黒崎がカットインからの左足が本物であれば来季は5点以上の得点を期待できそうです。後CBポジションに関しては来季は鈴木を栃木に留めておくのは難しそうですので大谷、平松で補えるのかまた今オフで何らかの補強があるのか注目です。

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ここまで栃木の攻撃時のポイントとしてLCB、RCBの持ち上がりを上げましたが、この仕掛けから時崎監督はボール保持時、前に人数を掛けたかった事がわかります。上の図にもありますがボール保持時CBの押し上げ、IHのハーフスペースフォロー、WBが高い位置に張り出す。そしてボランチが縦関係になりどちらかがトップ下のスペースに入る事によりWBがサイド突破時にはゴール前に3人以上が走りこめるように準備していました。

では栃木のウィークポイントはどこでしょうか?
上の図で栃木はボール保持時左右CBが前に出て積極的にWBをサポートします。しかしそのタイミングでボールを失うと中央部に守備者がいないことになります。

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上の図のように栃木はビルドアップ時陣形が左右に広がりながらアンカー、中央CBからボールをサイドに展開して前進しますが全体的に前がかりになった時アンカー周辺、中央CBの周辺には広大なスペースが出来ています。奪われた瞬間に相手FWがアンカー周辺でボールを受けられるとファーストディフェンダーがいない状態で前を向かれてしまう事が増えます。もちろん左右CBは即座に中央を閉め、WBはサイドのケアのために戻りますが、いわゆるショートカウンターを受けた時に如何に少ない人数で相手の前進を阻めるかが来季のカギになりそうです。確実に相手のポストマンを潰す、という観点からも高身長で競り合いに強いボランチが欲しい&育ってほしいです。

さて守備の観点から今年の総括をしました。これは私個人が守備戦術がすきだからです。相手の強みを如何に潰して攻撃を無力化できるか?が大好物です。
攻撃に関しても細かく分析したいのですが時間の都合上別の機会に致します。

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