見出し画像

ベビーの体重と胎盤の大きさ     

ひっさしぶりの記事は胎盤と胎児の大きさについて。
ベビーの体重と胎盤の大きさには関係があるの?
と言う質問に対するお答え記事です。

妊娠中に妊娠糖尿病と診断されてインスリン療法と分割食(医師と管理栄養士さんの指導により食事を分けて摂る方法)で血糖をコントロールして出産に至った”ののちゃん”さんからの質問


質問内容

私胎盤がとても大きかった(確か800g近くあるよ)と言われたのですが妊娠糖尿病と関係があったのでしょうか・・・?
ベビー事態は3200gでした

産婆さんからのお返事

胎盤とベビーの大きさには関係があります。

胎盤は妊娠4ヶ月でほぼその形は整うのですが、妊娠10ヶ月半ば(妊娠38週)位まで発育を続けます。
妊娠初期は胎盤の重さは胎児の重さよりも重く、妊娠4ヶ月で胎児と胎盤の重さがほぼ同じになると言われています。

正期産で出産した場合、胎盤だけの重さは胎児体重の1:6~7で、胎盤比率と呼ばれています。
胎盤と胎児の大きさの比は、胎児の要求する酸素や栄養などと胎盤が胎児へ送る酸素や栄養などの供給のつり合いを考える上での1つの指標となります。

余談ですが、分娩後には必ず胎盤の大きさ(直径)と重さをはかります。
産婦人科で実習する看護学生は出産の見学をした後、必ず実習の一環として胎盤計測をするのですが、大抵この時に実習指導者さんに質問されます。
「赤ちゃんの体重と胎盤の大きさの比は?」って。
・・・・なつかしい・・・(´;ω;`)ウッ…

話は戻って・・・・。

胎盤の重さが約800gだった”ののちゃん”さんのベビーちゃんは、胎児・胎盤比が6だとすると、実際は4800gで生まれてくるはずだった可能性があります。
・・・でっかい!!( ̄▽ ̄;)

そんなに大きな胎盤だったのなら、胎盤機能もさぞ良かった事でしょう。
お腹の中ですくすくベビちゃんは育ったはずです。
こんなに大きな胎盤だったのなら、胎盤ホルモンの働きも良くて、血糖値が高くなったことも、血糖値のコントロールが食事療法だけでは難しくてインスリンが必要だったこともインスリンの投与量がどんどん増えたことも胎盤の大きさから見ても容易に推測できます。

胎児が先か?胎盤が先か?

そうなると、
胎児が大きめと言われているので胎盤を小さくしたい。とか
胎児を小さくするには?とか、
胎児が小さめと言われているので大きくするには?とか・・・。
いろいろな思いがあふれて来そうですが、胎盤の重さを小さくすれば胎児も小さくできる。胎盤を大きくすれば胎児も大きくできる。というのはたぶん理論上では合っていると思うのですが、実際に胎盤を小さくする事も大きくする事も出来ません。

結局は、出産後にベビーの体重と胎盤の重量の比から、胎児の要求と胎盤の供給が釣り合っていたかどうかが分かるだけです。
妊娠中に胎児の要求を減らすことも増やすことも胎盤の供給を増やすことも減らすことも難しいでしょう。
胎盤機能の一つ。胎児へブドウ糖を供給する働きは食事療法やインスリンを投与する事で母体の血糖値をコントロールして、胎児の過剰発育をコントロールすることは出来る。という事が分かっています。
”ののちゃん”さんのベビーは3800gで生まれてもおかしくなかったけれど、妊娠糖尿病と診断してもらったおかげで食事療法とインスリン療法で血糖コントロールを頑張った結果、3200gの理想的な体重で産むことが出来た。という事が分かります。
これは、妊娠中の血糖コントロールが上手くいったかどうかの判断にも繋がります。

本日のまとめ


胎盤の重さはベビちゃんの体重の1/6~1/7
ベビちゃんの体重は胎盤の重さの約6~7倍

最後までお読みいただきありがとうございます😊






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?