見出し画像

新社会人の海外旅行はちょっぴり豪勢に【エッセイ】

-------------------------------------------------

☀この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です☀
#クロサキナオの2024CalmSept

------------------------------------------------


「9月の韓国旅行なんやけど、せっかくやからええホテルに泊まらん?」

2019年7月。
職場で夏休みを取るタイミングの調整があり、社会人1年目の私は8月を避けて9月に休みを取ることが決まった。

そこで、離れて住む妹にLINEで冒頭のように提案したのだ。

「お姉ちゃん社会人なったから、金あるで」

語尾に「笑」とつけながら、私は社会人の財力をここぞとばかりに貧乏大学生にアピールした。

妹は甘え上手なので、姉の提案に遠慮なく乗った。

「え、いいん? ソウルやったら良いホテルたくさんあるやんな。ちょっと調べて候補いくつか挙げてみるわ。予算はいくらくらい?」

「うーん、1泊4~5万かな」

人生で初めてボーナスというものを得た私は、かなり気が大きくなっていた。
といっても、社会人1年目の9月における通帳残高はたかが知れているので、そこまで大きな額は出せない。
当時の私にとって、1泊5万は十分高い値段だった。

そして数日後、私はホテル予約サイトでソウルのとある高級ホテルを予約した。



今回の韓国旅行は2泊3日の予定だった。
前半は安いホテルで済ませて、後半だけ高級ホテルに泊まることにしていた。

私たちは姉妹そろってKPOPが好きなので、韓国旅行はこれまでに何度か一緒に行ったことがある。

ソウルでKPOPの聖地巡りをしたり、美味しくて安い韓国料理レストランを探したり、韓国コスメを買い漁ったり。
今回の旅行は、私が仕事で疲れているかもしれないので、少し旅程に余裕を持たせてはどうかと妹が提案してくれた。
そこで、ソウル近郊の昔ながらの街並みをお散歩するといったのんびりプランにしようという話になった。


出発日は、なんと台風で予定していたフライトがキャンセルになるという予想外の事態に見舞われた。
「なんと幸先の悪いことよ・・・」と少し落ち込んだが、何とか別のフライトでソウルに到着し、その後の旅の予定は順調にクリアできた。

2日目の午後にロッテホテルに着いてからは、さすが高級ホテルというだけあって、クオリティが驚きの連続だった。

まず、チェックインをしている間スーツケースを先に部屋に持って行ってくれるのだ。

ロビーに入ってから受付に歩くまでほんの数メートルしかなかったのに、スタッフの方が近づいてきてスーツケースを代わりに持ってくれた。
お礼を言いながらチェックインを済ませ、「あれ、そういえばスーツケースは・・・」となっていると、どうも私たちの部屋まですでにエレベーターで運んでくれていたようだった。

「なんと、そんなサービスがあるのか!」

と感激したのを覚えている。

また、部屋に入ったら、広いのなんの(記事後半で写真を載せています)。

「こんなに広いリビングは初めてや!」

と二人で興奮して部屋の写真を撮って回った。

テレビは大きいし、ソファはふかふかだし、洗面所も広々としているし。

これまでこんなに良いお部屋に泊まったことがなかった私たちはとても嬉しくて、はしゃぎながら紅茶を入れてお菓子を食べて、ラグジュアリー体験を楽しんだのであった。

「姉ちゃん、うちのフライト代も出してくれて、お金大丈夫なん?」

ふと妹にお金のことを心配されたが、私は大丈夫な自信があった。

「私の職場はちゃんと残業代が出るから、お姉ちゃんは残業代で稼いでるし大丈夫やで」

今から思うと「なんだその理屈は」と突っ込みたくなるが、ともかく、当時の私は働いた分だけ、頑張った分だけお給料という形で見返りがもらえるという社会の仕組みに、多分感動していたんだと思う。

無事旅行を終えて、別れ際に妹とこんな話をした。

「次はプサンに泊まりたいな」

前回の韓国旅行でソウルからプサンに日帰りで行ったのだが、とても気に入ったのでいつか泊まりで行きたいねという話だった。

「せやな。また来年夏とかかな」

韓国は物理的にも近いし、何度も行った経験があるから心理的にもハードルが低い。
私たちの休みさえ合えば、いつでもソウルやプサンに行けると思っていた。



その約半年後、コロナ禍が始まった。
そしてさらに3か月後、私は過労と精神的ストレスにより休職を余儀なくされた。
一度大きく調子を崩してしまうと回復にはかなり時間がかかるものらしい。
休職期間が明けて3年経った今でも、主治医からはまだ海外旅行の許可が出ていない。


ーー5年前に交わした私たちの約束は、果たされていないままだ。

◆ ◆ ◆

自分でも思いがけず暗い終わり方になってしまいましたが、私はまだ妹とのプサン旅行を諦めていません!
早く海外旅行に行けるように、体調の回復に引き続き努めています⭐️

最後は写真コーナーです💡
少しでも今回の投稿のイメージが湧いたらいいなと思います!

ソウル近郊の昔ながらの街並み
(たしか)LINEフレンズのお店にて
高級ホテルの感動的なリビング(一番スタンダードな部屋サイズですが)
ソウルのカフェでグレープフルーツ三昧


今回もお読みいただきありがとうございました♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?