野球と乙女ゲームは交わるのか?~My9Swallows TOPSTARS LEAGUE~
こんにちは。これまで野球観戦日記をちまちまと書いていましたが、たまにはもう一つの趣味であるゲームについて綴ってみようかと思いましてね。
今回プレイしたのはこちらです。
野球じゃねーか!!
こちらはプロ野球球団である東京ヤクルトスワローズとゲーム会社オトメイトのコラボゲーム「My9Swallows TOPSTARS LEAGUE」(以下マイナイン)でございます。いわゆる「乙女ゲーム」というジャンル。
聞いた時は色々疑いましたね、主に正気を。なにがどうなったらそこにたどり着くんだろう…?しかもこれ、ヤクルト側からのアプローチだっていうから驚きです。開発期間を考えると優勝した時期に勢いで提案したんかな。野球ファンがいくらコラボだからって、乙女ゲームを買うか?あ、買いましたね。
などなど、ツッコミどころは96個くらいありますが、まぁなんかネタ的にオモロそうだからやってみっか、という理由で購入しました。
*なお、ストーリーに大きく関わるネタバレは載せないようにしてます。スチルも載せてないよ。
・乙女ゲームと私は交われるのか?~はじめる前に~
勢いで買ったはいいものの、いくつか懸念事項がありましてね。
まず私は乙女ゲームというものをやったことがありません。ゲーム好きですけどほぼRPG専なんですよ。乙女ゲームの知識と言えば人様の実況動画で見たときメモGSとドキサバ(テニスの王子様の乙女ゲー)くらいしかないんです。乙女ゲーの作法というものには全く疎いので失礼がありましたら申し訳ございません。
あとそもそも論ですけど、乙女ゲームって攻略キャラにドキドキしたいからプレイするわけじゃん?推しの声聞いてときめきたいわけじゃん?
さてここでかつて私が狂おしい程好きになったゲームキャラ達をご紹介しましょう。
乙女ゲーム、無理では!?!?!??!?
乙女ゲームキャラとは対極に位置する嗜好だった…そんな不安の海を泳ぎきって果たして乙女ゲームをエンジョイ出来るのか??
ちなみに上記の2人はマジでめちゃめちゃ好きなのでいつか正気を失った時にでも熱く語ろうと思います。
・あらすじはこんな感じだよ
ゲームのあらすじを説明します。まずプレイヤー(以下デフォルトネーム「つばめ」)は、就活が上手くいかなくて日々焦っていましたが、色々あってなんとかヤクルト球団に入社します。ほっとしたのも束の間、どこぞの大富豪リッキーがお戯れで「日本に新しい野球リーグを作るYO!!しかも野球とダンス両方で勝負するんだYO!!」とブチ上げてきます。こういうイカレポ〇チな事は金持ち外国人にやらせとけ、て思ってません!?ともあれ、なんやかんやでその「トップスターズリーグ(ト・リーグ?)」に参入したヤクルトスワローズ広報担当として奮闘しながら選手達とアレしたりコレしたりするゲームです。
作中で「セ・リーグのスワローズは~」という文言が出てくることから、我々が知るNBP東京ヤクルトスワローズはそのままに、新しくト・リーグにもスワローズを設立したという世界線のようです。なお、スワローズ以外の球団名は全て架空でした(なんとかファイターズってのはあったけど)。
AIドラフト制(なにそれ?)で本人や球団の意志とは関係なく各チームに振り分けられた選手達は、3ステージを戦い抜いて優勝を目指します。優勝賞金10億円ですってよ奥様。
・1st→野球でリーグ戦を行い4ブロックそれぞれ上位3チームが勝ち抜け
・2nd→ダンスバトルで視聴者投票を行い上位2チームが勝ち抜け
・3rd→野球で最終決戦
これ、2ndいるぅ??今更だけどなんで野球とコラボっつってんのにダンス要素入れてきたんでしょうね。ゴリゴリの野球だと乙女がついてこられないという判断でしょうか。まぁ、最近の野球選手は歌って踊れてナンボですからねぇ。
↑↑オススメは山子です。普通に可愛い。
ちなみに簡単にスワローズの選手達(攻略対象キャラ)を紹介しますね
・水泳スクール講師 王子キャラもちろん幼馴染属性持ち
・大企業の若社長 タイパ命
・大学生 Z世代
・漬物屋の息子 そんなあがり症でなぜト・リーグへ?
・元族 正直想像通りでした
・アイドル×2 飴と鞭
・もんじゃ屋アルバイター キャラが「貧乏」くらいしかない
・バーテンダー おじいちゃんがすごい人
戦う顔してるぅ??いや、敢えて書いてないだけで一応それぞれ野球経験者ではあるんです、たまに未経験者いますけど。仕方ないんです、ゲームビジュアル的に野球とダンスを両立するためには単なるフィジカルモンスターだけじゃダメだってことなんです。
どうですか、楽しみになってきたでしょう?
・ここがよかったよ!!
細かくプレイ日記を書くことも考えましたけど、そうするとネタバレ不可避なので、今回はトータルでの感想にしておきます。
まず楽しかったところを。
・つばめがちゃんと「人間」だった
他のゲームを引き合いに出すのは良くないと思いますけど、ときメモGSのプレイヤー(マリィとかね)って、ストレスかかるんすよね。なんていうか"わたしのかんがえたさいきょうのじょし"感えげつなくて。やることなすことあざとすぎてリアルで居たら確実に女友達はZEROだと思うのに。あれだけデートに誘ったりベタベタ触ったりしておいていざ男の子がその気になったら「…?キョトン」になるのもほんまありえへんて。嫉妬や、これは。
私の陰トークは置いておいて、つばめはルートによって好きになったら自分からぐいぐい行ったり、一方で立場上よろしくない恋に悩んだり、なんなら身を引いて泣いたりとちゃんと「人間」を感じられてよかった。まぁ結局は上手くいくんですけどね!!
・攻略対象以外のキャラも良かった
ゲーム始める前は「ヤクルトとのコラボだからちょっとした野球ネタとかブッ込んでたら面白いよな。『シャワーが長くて怒られた』とか…」なんて思ってたんですがまぁ全くありませんでしたね。あるわけがなかった。
でも、テキストはちょいちょいポエミー(主にLOVE絡みの時)で漢字が多いわ!!て時ありますけど、人との会話など全体的に軽快で楽しかったです。
特に、スワローズ花房監督は自分にも他人にも厳しく妥協しない堅物おじさんでお馴染みですがちょいちょい発言が可愛かったです。
つば九郎の概念に興味津々すぎる。
監督、なかなか推せるんですよね…なぜ攻略対象じゃないのか、残念です。
他にもト・リーグ発起人であるリッキーと彼に振り回されるエレナさんもいいところでこちらを助けてくれます。完全に特定チームに肩入れしてるとしか思えないレベルだけどリッキーがルールブックだから仕方ないね。
攻略対象はもちろんのこと、脇を固めるサブキャラ達もイヤな人がいなかったのがよかったなーという感想です。あと単純にキャラが結構好きな絵柄でしたね。つばめちゃんかわいい。
・ここがアレだったよ!!
まぁ一応合わなかったと感じた所も。
・そもそもADVゲームと私の相性が悪かった
乙女ゲー初めてですけど、ADV(アドベンチャー)ゲームというジャンルもほとんどやったことなかったんです。なので「ダンスパートでは音ゲーとかのミニゲーム挟んだりするんかな~、ときメモみたいにパラ上げとかするんかな~、いつ出てくるんかな~、えっ終わり!?テキスト読んでるだけじゃん!!」と正直驚いてしまいました。
途中で選択肢が出てきてそれによって展開が変わるのがADVゲームというものなんですが、攻略対象が9人もいるせいか、途中分岐は全然作られてなかったなと。ED(エンディング)はキャラ毎に2パターン用意されてますが、そこへ至るまでの展開は選択肢を変えてもほぼ同じなので色々試す楽しみが薄かった気がします。
そんな感じだから9人攻略した後もう一つのEDを回収しようと思っても「ほぼ同じシナリオをまた数時間かけて見るんか…」とゲッソリしてしまうことに。
乙女ゲーマーの方は良きところでセーブデータを複数作って輪廻転生を繰り返すことでスチルやED回収をしているようですが、私基本的にリセマラ嫌いなんすよね…後半は単なる回収「作業」になっちゃった。
せめて途中にストーリーの分岐がもうちょいあれば楽しみが増えたんだけどなーとそこは残念に思いました。
・野球・ダンスシーンにもっと気合い入れてほしかった
野球試合中はずっとテキストだけで、打った投げたの一枚絵(↓↓の画像でスクリーンに映ってるやつ)が差し込まれるだけだったのが物足りなかったです。せっかく「コラボ」って言ってるんだからもっと力入れてもよかったんじゃないかなぁ。
辞書機能がついていて野球用語を調べられるのは優しいんですけどそもそもカウント表記間違ってるやんけ!!という小さなツッコミ。昔はツースリーで合ってましたけど今は「スリーツー」ですね。そういえば辞書機能はあったけどTipsってあった…?チュートリアルはなかったよね。まぁ必要ないっちゃないか。
ダンスシーンも同様に、2ラウンドあるのにどっちも同じスチルでどういうダンスをしてるかはテキストで説明されるだけだったから「わかんねぇよ!!」とツッコんでしまった。
あくまでメインは恋愛部分、それはわかるんですけど、野球とダンスに「見せ場」ほしかったなー。
・結局乙女ゲームと私は交われたのか?~最後に~
そんな感じで全コンプリートまでに約30時間。それなりに楽しめたと思います(後半ED回収は高速既読スキップしてましたけど…なんか罪悪感)。今後乙女ゲームに手を出すかと言えばうーん、「ときめきが如く(仮)」とか出てくれたら買うけど出るわけがない。
最後に、このゲーム内で私が一番気になったキャラについて少しだけ語りますね。
はい、こちらライバル球団「光錬キングス」のエース「篁昂生(たかむら こうせい)」クンです。攻略対象ではありません。無念。
ルートによっては全く出てこなかったり、普通にイヤな奴で終わったりするんですけど、あるルートではこっちは眼中に無いのにやたら寄ってきては「バッ…お前らなんて相手じゃねーんだよ!!///」といちいちつっかかってくる可愛さを見せつけ、あるルートではライバルでありながら志は同じ故に一瞬手を組んでみせたり、あるルートでは攻略キャラを陰ながら支えてみせたり…と、そんなん好きじゃん!!が詰まったキャラです。
サブキャラはルートにより立ち位置が変わって結果的にキャラがぶれてるように思えた人もいるんだけど、彼はどうあがいても「えっ、お前かわいいかよ…」でしたね。私だけか?ナチュラルパワハラの被害者で脳が溶けちゃってるのか「えっ土下座なんて日常茶飯事だが?」とキョトンしてる彼をよしよししてあげたい。
少しネタバレですが(公式HPに書いてるけど)光錬キングスの監督は攻略キャラ紗武郁実のお祖父さんなんですよね。で、郁実ルートは言わずもがなそことの確執が描かれていくわけですが、紗武監督ガチ勢の篁、自分がどれだけ頑張っても得られない「監督からの寵愛」を手に入れられるはずなのになぜか拒絶する郁実に対して嫉妬と怒りを持ってるんですよ。一方、篁が思うような監督じゃない、と知ってる郁実はなんとも言えない表情で見つめるしか出来ない訳で…ああっつらい、と、ルートのエッセンスとして消費されるだけの彼の方に視線を向けてしまった私。いつの間にか、新たなルートを選ぶたびに「このルートで篁出てくるかな~」と思う程に篁推しになっていきました。
…
…
あれっ?私…今…乙女してる!?
そうか、これが乙女ゲームやってる時の気持ちなんだ!
せめて攻略対象キャラでそれやりたかったですけど、ともあれちゃんと私は乙女ゲームを乙女ゲームとして楽しむことが出来ていたと結論付けいたします。ありがとう乙女ゲーム。
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