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土とは

勉強

昔々、レクリェーション農園を借りて楽しんでいた時
一度だけ下水汚泥の肥料を使ったことがあった。
そこは10坪と15坪の区画があって、いつも借りていたのは10坪だったのだが
その年度は10坪の畑がすでに満杯でやむを得ず15坪の畑を耕すことに。
事前にトラクターが入っているとはいえ
そこの区画は粘土が多かったのでいつもより労働量が多かった。
で、その年度は畑をいくつかに区切って違う肥料を入れてみた。
いつも大体、近所の幼稚園から堆肥を分けてもらっていて
(この幼稚園ではニワトリと羊を飼っていた)
それを一輪車で運んでスコップで混ぜ込んでいたのだが
そのほかに
化学肥料だけ混ぜた所と下水汚泥の肥料を混ぜた所を作ってみたのだ。
畑の半分くらいをいつもの堆肥+化学肥料適宜にして
残りの半分を化学肥料だけの所と下水汚泥と化学肥料適宜とにしてみた。
その結果
いつもの堆肥+化学肥料適宜使ったところは
初めは粘土がナカナカ頑固だったが次第に土がほぐれてきて
3か月くらいで大体畑の土になってきて、幼稚園の堆肥から行きがかり上
移植されたミミズも良く育ってにょーろにょろしていた。
化学肥料のみ使ったところは
まあまあ収穫できた半面、土はほぼ粘土のまま。
で、結構驚いたのが下水汚泥の肥料を使ったところ。
これは顆粒状だったかフレーク状だったかので
トラクターですき返された粘土の土にバラバラとまいて
スコップでザクザクと混ぜたので
初めは固まった粘土がゴロゴロコロコロしていたのだが
どれくらい経った頃からだろうか
おやあ?おやおやおや?
いつの間にか土がほろほろと崩れた状態に ♪
これには結構驚きましたな。
栄養分がどうこうというより
土の状態がこれほど変わるとはどういう機序によるものだろか!?
下水汚泥の肥料の中に、微生物の住処になるようなモノも入っていたとか?
今となってはもうわからないが
参考になると思うのが、この汚泥リサイクル製品一覧

https://www.sbmc.or.jp/05_investion/DATA/3-1.pdf

下水汚泥を利用した肥料というのは全国で種々様々に作られているようで
こんなにあるのかとちょとクラクラするのだが
大きく分けると
■汚泥をそのまま乾燥して粉砕したもの
■汚泥を好気性発酵させたもの
■汚泥にもみ殻や牛糞やチップ等色々混ぜて発酵させたもの
の3種類かと。

さてそこで、そもそも・土とは?

子どもの頃、土ってなんだろうと考えた。
石が細かくなったものかな?
…ちょと、違うような…
山の大きな岩が川で運ばれていくうちに
だんだん砕けて丸く、小さくなっていく
などと習ったので、それで海は砂浜なんだな、と、ぼんやり思っていたが
でも、砂浜の砂と土は、やっぱり違う。
それに、土をばらしてよく見ると・確かに土には砂が混じってはいるが
そのほかに細かい「根っこ」や「枯れた何か」がずいぶん入っていて
それ以外には黒くて少し粘っている「土」が。

学校では多分、大きなビーカーに土と水を入れて
かき混ぜてしばらく置いておくという実験をやったはずだが
その実験と土とは何だろうということが
自分の中で結びついていなかったのは確かだ。

大人になってちょっとだけ、土を見分けたり掘ったりする仕事をしたとき
改めて土って何だと思って大学生協で本を探して買ってみた。
「土の世界」土の世界編集グループ 朝倉書店
「土の100不思議」日本林業技術協会編 東京書籍
自分の理解としては
土というのは岩石の表面にコケや微生物が住み着いて
岩石に含まれる栄養素を利用しつつ、同時に岩石を分解しやすくする。
そしてうんと小さくなった岩石が粘土で
細かくなったことでたくさんの生物が住み着いたり利用しやすくなって
それで土の中には
動植物、微生物、その遺体や排泄物、微生物によって分解された腐植
といったものが混ざっているのだ。
というワケで
土というのは
植物や動物や微生物たちが一緒になって作り上げている
生き物の生活の場・生き物の団体そのものなのだ。

特に春、芽吹きのとき
半年ぶりに土を見ると
土という宇宙の深さとものすごさを感じる。


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