見出し画像

自由研究は「お寺の鐘」

勉強

小学生のとき、夏休みの自由研究でやったのが
「お寺の鐘について」

ごおお~ん…   渋い  実に渋すぎる小学生であった。

なぜ興味を持ったのかを今考えてみると
それは 遠い世界のことだから だと思う。
子どもの頃から何となく古いものが好きで
「古い」というのも今から見て「遠い」のだ。

お寺の鐘が鳴るところはテレビでしか見たことがなくて
除夜の鐘を聞く前に眠ってしまっていたし
とにかく、お寺は異世界だった。

さて小学生なので
話を聞きに行くとは言っても事前に確認を取るなんて知らないから
アポ無しの突撃取材を敢行してしまった。
自分が知っている鐘のあるお寺は三か所。
自転車に乗っていざ!
思えば何キロもあったのだ。
「すみませーん!お寺の鐘のことを聞きたいんですが。」
突然やってきた小学生に、みなさんいろいろお話してくれて
それをノートに鉛筆で書きつけた。
今思うと冷や汗が出る。
親がわかってたのかどうかはわからない。

札幌で(?)一番大きな鐘だったのに
戦争中に金属として供出してしまい、今あるのは当時より小さいものだ
という話と
どうして苦行をするのかと聞いてみたら
苦しいと思っているそのときには悪いことを考えられないからだ
と教えられたことが
いまだに強く残っている。

もし自分が聞かれる立場だったら
やっぱり穏やかにニコニコしながら相手をしてあげられただろうか。

自分はいろいろな場面で
回りの大人に育ててもらったのだと
今はひたすら感謝している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?