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小沢昭一さんに感謝のこころだー♪

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「小沢昭一 放浪芸雑録」小沢昭一著 白水社
という900ページ以上の大著を読んだことがある。
この本は
「私は河原乞食・考」1969年三一書房、後に文春文庫
「私のための芸能野史」1973年芸術生活社、後に新潮文庫
「日本の放浪芸」1974年番町書房、後に角川文庫
の、いずれも小沢昭一氏の著作と
それ以外の書物に掲載した放浪芸に関する記事を収めたもので
まえがきには
いわば“放浪芸選集”のごときものです、とある。
芸人さんとの対談が始まったきっかけとしては
ある時、いわゆる有名人との対談の仕事が持ち込まれたが
自分には各界のエライさんと話し合うだけのウンチクがあるわけがないから
どうでしょう「非有名人対談」は、と提案したのだと。
名もなく貧しく…社会の裏側で、じっと一つことをやりつづけている
しかも、世の中からは
蔑視、白眼視、ないしは横目でみられているような…
そんな人たちにあわせてくれませんか、と。
こういう小沢昭一の長年の仕事を集成したのがこの大著である。
まえがきではまた、第Ⅳ部「放浪芸雑録」のなかの
「まんざい・一九九〇」だけでも
とりあえずお読み下されば、ともあったので
まず真っ先にそこを開くと
氏が子どもの頃に見た祝福芸の万歳について
自身が実際に万歳の門付けをしてみたという経験も踏まえて
各地に残る万歳の歴史を掘り起こし・様々な論文も取り上げて
なんとしても芸能を楽しんでいる側の人間に
そこにいる人たちの言葉を届けたいという
芸能というモノの本質を届けたいという
俳優である小沢昭一さんの切なる気持ちを感じた次第でござるよ。
これはまさしく現場からの調査研究だ。
私はラジオで「小沢昭一の小沢昭一的こころ」を聴くことができた
幸運な世代であった。しかし、小沢昭一がここまで“芸能”について掘り下げて・調査をしていたとは知らなかった。
小沢昭一さん、本当にありがとう。
あなたがこうして文字にして残して下さらなかったら
世の中に、流しの芸人さんやストリッパーの皆さんの言葉が残されたとは思えない。
小沢昭一さんに、感謝のこころだー!


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