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プールで覚えることは

小学生のころ、海でおぼれかけた。
その当時の泳ぎというのは顔を伏せてのバタ足で
まだ息継ぎもできず、数メートル進むのがやっとだった。
砂浜からすぐのところにゴツゴツした岩がいくつもあって
岩から岩へバタ足で進んで行った。
そこは足が立たないところだったので
息を止めてどこまで進めるかを考え考え泳いでいたが
行けると思った岩まで行けないうちに息が続かなくなった。
これは苦しくてダメだと思ったところに
ビート板の男性が目の前を横切ったので必死でしがみつこうとしたのだが
その人はちらりとこちらを見て
そのままバタ足で私を蹴散らして行ってしまった。
焦ったが息ができないから声も出ない。

本当におぼれたら「助けてー」なんて叫べない

ばたばたもがいているうちに幸運にも岩に手が届いた。
浜を見ると中学生の兄が立ってこちらを見ている。
おぼれそうになったのがバレるのが恥ずかしくて
水をばちゃばちゃと撥ね飛ばして笑って見せた…
思ひ出はさておき
近年、着衣水泳の取り組みが増えてきた。
不意に水に落ちるときには当然服を着たままだから
着衣水泳で動きにくさを体験しておくとともに
浮き方をはじめとする、身を守るすべを教えるものだ。

さてもちろんこれはいい取り組みなのだが
普通の水泳授業でもまだやるべきことがあるのでは。

まず、学校の水泳授業では
バタ足からクロールへ、というのが普通だった、と思う。
で、ナンでクロールなのか?
確かに早く泳ぐならクロールだが
短い授業期間で、できるようになる生徒は少ないのでは。
「スイミングスクールに行っている子」と「行っていない子」とが
「クロールができる子」と「泳げない子」の差になっていないか。

ゆっくりでも平泳ぎができれば
少なくとも頭を上げて浮いていられるし
前を向いて・回りの様子を見ながら移動できる。
その上での「浮いて待て」がいいのじゃなかろうか。

学校で水泳の授業を行う意味は何だろう?
早く泳ぐより
まずは水中で安全を保つことではないか。
今の水泳の授業はどうやっているのだろか。
っていうか
水泳の授業ってまだやってます?


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