火打石
以前、火打石で「切り火」をしていただいたことがあった。
「切り火」というのは、時代劇などでご主人が出かけるときに
奥さんが後ろでカチカチとやって火花を出しているもの。
その火で厄除けにするのだ。
メノウなどの固い石で鋼の板を打って火花を出していた。
あの「かちかちやま」の「かちかち」は、これだ。
何となく火打石というくらいだから
石と石を打ちつけるのではと思っていたら
おや、石と鋼ですか、と俄然興味を持って調べてみた。
原理は、鋼を固い石で瞬間的に削って
鋼の粉に摩擦熱で火が付いたものが火花となるのだそうだ。
というわけで
金属器が無い時代には火打石も無かった、ということになる。
おろろろろー…そうでしたか!
何となく、マッチの前は火打石?くらいに思っていたが
火打石が最初に文字情報で出てきたのは
日本書紀でヤマトタケルが草原に火を放った話ではなかろうか。
いや、確かにマッチの前だけど縄文時代ではなかった!
で、火打石の前はというと
木に穴を開けて、そこで木の棒をぐりぐりと回して
摩擦熱で火を起こしていた。
今でも神社では特別な時にこのやり方で火を起こす。
古式豊かというものである。
これらの画像は以前出雲大社の彰古館に行った時のもの。
彰古館はあまり訪ねる方もいらっしゃらないようなのだが
出雲大社へ行ってここを見ないで帰るのはモッタイナイ!と思うのでぜひ!
ずらりと並んだ大黒様の像も圧巻ですぞ ♪
さて
イマドキの火打石というと
キャンプ用品のファイヤースターターで
マグネシウムの棒と金属のヘラのセットだ。
ご存じの通りマグネシウムはフラッシュに使うくらいに燃えやすい。
そのマグネシウムの棒を金属のヘラで「しゃっ!」とこすって火花を出す。
かなりな威力だが
これはもう石じゃない…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?