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紅茶と緑茶とウーロン茶

実用

こんなモノが出てきた。

昭和の茶こしである。
おばあちゃんの姑さん(明治生まれ)が使っていたのだそう。
昔はこれで紅茶を淹れていたのである。
で、どうやって?

この茶こしに紅茶の茶葉を入れてそこにお湯をそそいでいたのだ。
あ、茶こしはカップの上に置くか、手で持っていた。
で、お湯は茶こしの中の茶葉を通り抜けて紅茶になるのだ。
当時の紅茶は軽い味わいで、必ず砂糖を入れて飲んでいた。
子どもでも飲める、甘くて、暖かい飲み物。
少なくとも50年前までは紅茶はそういうモノだったのだ。
その後、自分が高校生の時くらいからティーバッグが出回って
紅茶はティーバッグで手軽に淹れるモノとなり
凝り性の人はポットで淹れるようになり
さらにはミルクティーにする人も増えた。
そうだあのころには、本場イギリスでは
「茶葉の量はティースプーンで人数プラス、ポットのために1杯」
ですってよ♪と、テレビのCMで流れるようになって
それじゃあと、その通りにしたらずいぶん濃くなってしまって。
あれは実はミルクティーにするからだったんだな。
その後紅茶の歴史や色々な“正しい”飲み方を段々と知ったのだった。
何かの“文化”が入ってきたばかりの時には
珍しさと共によくわからないままに・とりあえず受け入れて
それから次第に“正しい”形がわかってきたり
受け手の文化と融合していったりするものだ。
50年前の紅茶はイギリス人が見たらとても奇妙な飲み方だっただろうが
あれは確かにあの頃のたくさんの家庭で楽しんでいた風景だったのだ。
ちなみに我が家では
紅茶はほうじ茶と同じ急須を使って淹れている。
急須は日本のお茶ポットである♪
(ちなみに珈琲と紅茶はストレート派)

さてそこで何十年か前
緑茶をいれようと急須のふたを取ると
まあなんということでしょう!
ふやけた茶葉が入っていたのである!
そういえば
数日前に緑茶を入れて急須を洗うのを忘れていた…(汗)
茶葉は紅茶の色をして紅茶の香りがしたが
この急須で紅茶はいれないし
ふやけた茶葉の様子はこれが緑色なら緑茶の茶殻である。
はて???
紅茶は発酵茶で原料は緑茶と同じお茶の木だから
発酵したってことか?
調べてみると
緑茶は生の葉を収穫した後
「蒸して・揉んで・乾燥させる」
緑茶が緑のままなのは発酵していないから。
紅茶は「蒸れるような」状態で葉をしなびさせることで
発酵が進んであの紅茶色になり
ウーロン茶は「日に干して」発酵させるので
紅茶ほど発酵が進まないから「半発酵茶」なのだ。

ははあ、「蒸れるような」状態で、と。
緑茶をいれた後そのままだったので水分たっぷり…
で、「蒸れた」と。なるほど。
偶然、ちょうどいい加減の温度と湿度と時間だったわけか。
じゃあ、ちょっとお湯を入れて飲んでみればよかったかな…(半分本気)

ミステリの「87分署シリーズ」の中で
育ちのいい刑事が紅茶とウーロン茶を混ぜて飲むエピソードがあって
やってみるとこれがナカナカおいしくてしばらくハマったことがある。
自分的には紅茶1:ウーロン茶2がよかった。
ポットに紅茶をスプーン半分とウーロン茶1杯入れて熱湯を注ぐのだ。
発酵茶の紅茶と半発酵茶のウーロン茶は相性がいいのだろう。

ためしに緑茶とほうじ茶を混ぜてみたら
緑茶のうまみとほうじ茶の香ばしさが相まって
…とはいかず
何ともおいしくない飲み物になってしまった。
何にでも相性があるのだ。

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