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教科書名短編科学随筆集を読んだ

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先日紹介した
「教科書名短編科学随筆集」中公文庫 を読み終えた。

まずは1回全部目を通さなきゃという勢いで読んでしまったが
これはもっとゆっくりと味わって読まないと消化不良を起こしそう。
いや、質が悪くてうまく消化できないのじゃなくて
味わいが濃く、深く、豊かなので
「わしわし」と頬張って読んではもったいないのでござる。
まるで溶かしバターに「だっぷりと」漬けて仕上げる
クリスマスのお菓子パン「シュトーレン」のようだ。
薄切りにして一口ずつゆっくりと噛みしめて味わなければ。
しかし心配しなくとも教科書なので
生徒たちは授業でゆっくりと理解しながら読み進めたのだと思う。
生徒たちは、その時はよくわからなかったとは思うが
自分のように、いくつかの事が印象に残ればいいのだと思うし
贅沢な「元肥」のようなもので
知らないうちに自身が豊かになっていたと思う。
内側に降り積もる宝は目に見えない伏流水のようなものだから。

さてそこで
この短編集の中でも特に興味を惹かれた話がいくつかあった。

中谷宇吉郎の科学以前の人たちの話に
いるいるいるいる!
そうだあの人たちは科学以前の人たちであったかと納得し

湯川秀樹の素読の話に
意味の分からないままに読んだ漢文でも
振り返れば実は身に付いていたというのは思い当たる節があるし

日高敏隆のチョウの道の発見の話に
チョウを追いかける3人のおっさんに交じって
自分も一緒に発見したかのようにぞくぞくと喜びがわいた。

この本には科学の深さと危うさと豊かさと難しさが
みっしりと詰まっているので
多くの方に読んでいただきたいと願う。

このシリーズには他に
「教科書名短編人間の情景」
「教科書名短編家族の時間」
「教科書名短編少年時代」
があるので、順次購入する予定。
これは紙の本にしようかな。

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