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ミョウガ

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ミョウガが好きで夏の楽しみにしているが
ちょとお高いのでそう何度も食べられない。
それで、主に旬の野菜を扱っている八百屋さんで買うにとどめている。
で、ミョウガと言えば落語の「茗荷宿」で知られる「物忘れ」だ。
で、ナンでミョウガを食べると物忘れをするのかというと
昔々お釈迦様の弟子にチューラパンタカという人がいたが
物覚えがとても悪くてどれくらい悪いかってぇと
自分の名前が覚えられない。
それで自分の名前を書いた札を首にかけていた。
その人が死んだ後お墓の周りに見慣れない草が生えてきたので
墓の主が生前名前を書いた札を荷っていた → 茗荷(ミョウガ)
と名付けたのだという。
だからミョウガを食べると
自分の名前を覚えられなかったチューラパンタカさんのように物忘れするよ
というハナシなのだ。

ところがこれは後付けのお話で
実は一説にショウガを食べ過ぎると
「志を少なくし智を少なくし心気を傷つける」と言われていたのが
発音が似ているのである時期からショウガとミョウガが取り違えられた
というのだ。
そしてこの説が「茗荷宿」のお話で一般に広まったのだと。
しかしながら
「傷寒論 解説」の本でショウガの薬効を確認すると
「健胃、吐き気止め、水分の代謝をよくする」
とは書いてあるものの
「物忘れ」も「志を少なくし-」についても記載が無い。
だからこれはあくまでも俗説で
もしかして
身体に良いからと食べ過ぎて胃腸を傷めたのではあるまいか。

さてこのショウガとミョウガですよ。
これはどちらも奈良時代に大陸から持ち込まれていて
香りの強い方が「兄の香(せのか)」
弱い方が「妹の香(めのか)」と呼ばれて
これが訛ってショウガとミョウガとなったらしい。
地上部の見た目はそっくりだし取り違えられるのもわかる気がする。
ミョウガの食べる部分は実は花のつぼみで
毎年夏が来て待ちかねたミョウガを買って
もったいないと惜しみつつちびちび食べているうちに
日にちがたつとふにゃふにゃと花びら様のものが出てきて
そうなると本体は腐れが来ていることが多い。
あああああっ!
っていうか
何もかも懐かしい、で済ませたい。


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