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自転車の受難

自分自身は盗まれたことは無いのだが
昔々身の回りであった自転車のアブない話を。
もう20年ほども前
雪のない時は最寄りの駅まで自転車で行っていたのだが
ある時、さて乗って帰ろうとワイヤーロックを手に取ると
見慣れない新しい傷がついていた。
ん?
ワイヤーは厚いビニールカバーで覆われていたのだが
カバーの端から覗いていたワイヤーには
明らかにペンチなどで切断しようとした刃の痕がついていた。
切れなくてあきらめたらしい。
ワイヤーカッターのような専門の道具じゃなくて
素人が手近な工具でやったんだな。
中古の中古の中古くらいの自転車だったが
その後自転車に乗るたびに・ワイヤーに刻まれた傷を見るたびに
身近な“犯罪者”の影を感じて“さわさわ”としていた。
また
毎年冬が近くなると
アパートの共同玄関脇の駐輪場所から自転車を各自引き上げていくのだが
毎年決まって何台か取り残される自転車があった。
全住人に確認しても「ウチのじゃない」。
要するに乗り捨てられた盗難自転車なのだ。
で、警察に届けたところ元の持ち主の元に帰れたものも多く
登録番号って盗まれたときに効くんだなあ、と納得。
中には半年前に盗まれて何十キロも離れた所から来たものもあって
これは何人もが盗んでは乗り捨ててきたのだろうと。
というワケで、毎年警察に電話していた。
これは自転車の誘拐事件だ。
そういえば
地下鉄駅の広い駐輪場に何となく不審な雰囲気の女子高生がいた。
とめてある自転車をゆっくりと見ながら歩いている。
ふと目に留まったのが
右手に持ったドライバー・・・!
私の視線に気づくと、すうっとスカートの襞に入れた。
ドキドキしてしまって
通報するかどうしようか迷っているうちに地下鉄に乗ってしまった…
今なら間違いなく通報するぜっ!
そして
盗難ではないのだが大迷惑をこうむった犯罪があった。
前述の、駅でワイヤーロックを切られそうになった古い自転車をもらってきた日
リング錠が付いていたのだが「どうやって使うのかなー」と
確かめる間もなくすでに夕方だったので急いでご飯の支度をしようと
とりあえずアパート脇の駐輪場に置いて家に帰った。
で、翌朝自転車で研修先にいこうとしたら
何と!ロックされているではあーりませんか!!
誰かが夜のうちにいたずらでロックして
鍵をどこかにやってしまったのだ。
今日研修初日だよ遅刻厳禁なんだよどーすんだよどこのどいつだよ(怒
とにかく急いでバスの路線を調べて遠くのバス停まで走りましたがな。
たった一晩くらい
と思ったのが大間違いだったと思い知った事件であった。

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