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鼓腹撃壌

言語

「鼓腹撃壌」という言葉がある。
古典で習ったと思うが
古代中国の堯帝が世の中の様子を見にお忍びでマチナカに出たところ
一人の老人が何かもぐもぐ食べながら
腹をポンと打ち、足で地面を叩き(これが鼓腹撃壌)ながら歌っていた。

日が出りゃ仕事、沈んだら帰ろ
井戸掘って水飲んで、耕して食べる
帝のことなぞわしゃ知らん(自分的現代語訳)

中国の故事成語の本をいくつか読んだことがあったが
堯帝がどう治めているかを民は知らなくても
鼓腹撃壌しているのは衣食足りて天下太平だということだから
これで良いのだ、という意味だと覚えていた。
ところが!
改めて原文はと見ると、ここの前の部分があって、ですね
それは
マチナカで子どもたちが

わたしたちの暮らしができているのは帝のおかげです
わたしたちは知らないうちに帝の統治のままにしたがっています

と歌っている場面なのだ。
世の中では帝の治世のおかげと十分にわかっていたということで
その中で鼓腹撃壌していた老人の姿は-
ん、これはいつかどこかで見たような!?
ウチのじいちゃんではないかw
難しい面倒な話は見ないふりしてひたすら大好きなおばあちゃんの作ったご飯を食べながら晩酌していたおじいちゃんそのものじゃん ♪
というワケで
「バベットの晩餐会」に続いて
わかって楽しんでいるのか
わからないで楽しんでいるのか
という話になるのかも。


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