♯24・ご質問への回答「触られることを嫌がる(ときどき威嚇する)犬、どうしたらいい?」
こんにちは!
15年以上【犬の保育園】の先生を行っている尚ちゃん先生と申します。
さて、今回はいただいたご質問にお答えいたします。
ご質問、ありがとうございました!
今回のご質問は、
・ワンちゃんが、触られることを嫌がる(時々威嚇する)
・手足が曲がっているので、痛いのかもしれないけれど触れない
・病院へ行きましたが、わからず
という内容でした。
多くの飼い主さんも共通するお悩みとして、「触られることを嫌がる」という問題はよく聞かれます。様々なケースを含めて、私の見解と対策をお話していきたいと思います。
まず、「ワンちゃんが触られることを嫌がる」という場合に、
飼い主さんにチェックしていただきたいことがあります。
・いつから嫌がるようになったのか
・どんな時に一番嫌がるのか
・特定の場所なのか、不特定の場所なのか。
・病気やケガ、もしくはそれらが治った場所や近くか
・特定の場所、人、状況、時間などの特定の条件でのみ嫌がるのか
・その場所以外触ることはできるのか
・「嫌がる」程度はどのくらいか
・それ以外に変わった状態や様子はないか
ということです。これらは状況・原因を推測し、解決策をたてるために役立ちます。
そもそも、ワンちゃんによっては、もともとあまり身体を触られることや
拘束されたような気になる抱っこを好まない性格の子もいます。
今回はご質問のように、「今までは平気だったのに、ある時から触られることがいやになった」というケースについてお話します。
ワンちゃんが飼い主さんに触られることを嫌がる場合、一番最初に疑われることは、病気やケガです。
このワンちゃんの場合、
「今は嫌がる」「時々威嚇する」ということなので、
以前はそのようなことはなかった、
そして今も「常に威嚇する」ということではなく
ある条件がそろうことで、「威嚇する、嫌がる」という素振りを見せる
ようです。
「いつから」がはっきりわかる場合には、それが大きなヒントになると思います。
犬のトレーニングやしつけの方法は、実にたくさんあり、色々な方針を取られる方がいらっしゃいます。
私はと申しますと、犬が触られるのを嫌がる場合、
そこには何かしらの「原因」と「条件」があるはずなので、まずは「原因」を探ります。
というのも、「触られるのを嫌がる」というご相談の場合、
仔犬のころからずっとというケースより、大人になって突然ある日、飼い犬にかまれたり、唸られたという飼い主さんが多いからです。
その場合に大きな原因としてまず考えられるのは
「病気」「ケガ」です。
病気やケガが疑われる場合には、まずは動物病院に行かれることが先決ですが、その場合にはほかにも症状がみられることがあります。
外見だったり食欲だったり、排泄物だったり、なんとなく元気がない、
などの全体の様子です。
そして、病気やケガが直接原因の多くの場合、「誰が触っても」「どんな状況でも」「病気やケガが治るまでは必ず」嫌がることが多いです。
このワンちゃんは、「手足が曲がっている」ということですが、どの程度、いつから、どんなふうにかはわからないのですが、「病院で診てもらってもわからない」ということでした。
病院でどのような処置や検査をされたのかがわからないのですが、
「今まで見てきたよりもはるかに手足の様子がおかしい」と飼い主さんが感じる場合、その感覚は間違っていないと思います。
動物病院も専門や強みがそれぞれあるので、外科に強い先生や、行動療法に強い先生などセカンドオピニオンをされるのも一つの手でしょう
そして、もうひとつの可能性としては、
「以前病気やケガなどで痛かった記憶」が「特定の状況や人によってフラッシュバックする」といういわゆる「トラウマ」です。
これは実はよくあるパターンになります。
例えば、トゲが刺さっていた時に飼主さんが気が付かず、
お散歩を終えた後足をいつものように拭いてしまったらとても痛かった、
ということを覚えた犬が、
トゲは取れて傷もふさがったのに、お散歩あとに足を拭こうとすると威嚇する、などという場合です。
この場合は、「こういう時に、こういうことをされたら痛かった」というショックの記憶から出てくる「威嚇」なので、本当はもう痛くないのですが、まるでケガをしていた時のように怒ることがあります。
こういうケースは、同じ状況を作らなければ、
同じところを触れることもあるので、
例えば散歩あとの足を拭く場所を変えるとか、拭き方、人を変えるとかするとケロッとしていることもよくあります。
また、
「特定の状況やケースで特定の場所を触られるのを嫌がる」というケースでは
例えばハーネスやリードをつけるときに威嚇する、
ブラッシングや足ふきの時に威嚇する
奥さんのそばで寝ているときに旦那さんが触ろうとすると威嚇する
お気に入りのベッドや場所で休んでいるときに触ろうとすると威嚇する
といったパターンです。
パターンが特定できたものについては、そのパターンを崩すことや、違う方向でアプローチすることで問題が改善することがあります。
例えば、お散歩の後の足ふき。足を持ち上げようとすると唸る、という場合には、
「おて」「おかわり」といったコマンドを教えることで、
犬のほうから足を挙げてもらうという行動にすりかえます。
「おて/おかわり」をしてもらう人の手の上に、
濡れタオルなどを置いておけば、簡単に拭くことができます。
また、これはとても大切なことなのですが、「犬が人の手をいつでもどこでも、誰にでも受け入れる」ことは飼主さんが思っているより、犬にとってはハードルが高いものなのです。
「いままでは問題なくできていた」ことを、ある日突然拒絶されると、飼主さんは傷つき、落ち込み、パニックになる方もいらっしゃいます。
ですが、
もしかすると犬はいままで言わなかっただけで、本当は触られることをずっといやだと思っていたかもしれないんですよね。
ある日突然、何かのきっかけで、「これはほんとは嫌だったんだ!」と犬が威嚇をした場合、ほぼ100パーセント飼主さんは怯み、その手を遠ざけます。
ここで悲しいことに、「嫌だったら、唸れば無くなるんだ」と学習してしまう犬がいます。
そうすると、ちょっとしたことでも、「唸り」を活用するようになる場合もあるのです。
そうならないためには、「これは出来て当然」ということでも、「ありがとうね」「えらいね」と犬をほめてあげることが大切だと私は思います。
抵抗感がありそうな子や、時々はうちの子にも、足ふきのあとおやつをあげることもあります。
何が基準か、というと「人間の都合で、犬に受け入れてもらっていること」になります。
例えば足を拭く、ブラシをする、歯磨き、爪切り、耳チェック、ハウス、ハーネス、服、リード、トイレ、車などです。
彼らの「習性」のなかにないものをするときには、
「受け入れてくれてありがとう」の気持ちを伝えます。
嫌がってしまう前に、いい思いをさせてしまうことで、受け入れやすくしていくのですね。
また、老犬などにはよくありますが、感覚が鈍くなってきたり、ぐっすり眠っているときにいきなり触られてびっくりして思わず噛みつこうとしてしまったり、唸ったりすることもあります。
寝ている犬はかわいいので触りたくなりますが、どうしてもの時には、わざと近くで物音を立てたりして起こしてから話しかけたりします。
もう一つのケースとしては、
自分の場所や特定のものを守るというケースです。
これはお気に入りの場所やモノ、人の場合もあります。その場所やモノ、人が絡むときに威嚇したり、触られることを嫌がることがあります。
これも一朝一夕にこの反応が出てくるわけではなく、多くの場合は経験からの学習の積み重ねなのですが、飼主さんの思わぬところで発生することもあります。
過去には、奥さんが泥酔してリビングに寝ているときだけ、ほかの家族が近づこうとすると犬がめちゃくちゃ怒る、というケースがありました。昼寝のときは、怒らないそうです!
このケースの場合、奥さんは寝室に寝るようにして、犬は寝室にいれないようにするだけですべて解決したのですが、特定の状況や人、条件でのみ起こるケースとして代表例だとおもいます。
最後にまとめると、「身体を触ろうとすると唸る」場合、
・病気やケガ、身体の異常がないか、犬の様子全体から判断する
→異常がある場合には、治療が先決
・トラウマになっている出来事はないか、考える
→トラウマとなった出来事や状況と異なった新しい状況で
新しいポジティブな条件付けをする
・特定のものやひと、場所、時間といった条件はないかを考える
→特定の条件を避け、新しいポジティブな条件つけをする
・威嚇が出ない部位、犬でも、触りながらほめたり、おやつを挙げて
「触られること=いいこと」をいう意識を威嚇する前から教える
事が必要だと思います。
ご質問者さまワンちゃん、そして「身体を触ることを嫌がる」ワンちゃんの飼主さんにとって少しでもお役に立てれば幸いです。
【人生は、運と縁とタイミング】 ここまで読んで下さりありがとうございます✨
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