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落し物をしたお兄さんを全力で追いかけた話

今日は用事があって駅まで自転車で行った。

ここ最近の寒さが嘘のように暖かい。

こいでいるとじっとり汗をかいてくる。


乗っている自転車の名前は「青ちゃん」だ。

おととし買った電動自転車で、その名の通り青い。

青ちゃんはおしゃれな自転車で、乗っているだけで気持ちが明るくなる。

鼻歌交じりにこいでいたら、20メートル位先を自転車で走るお兄さんが何かを落とした。

通りがかりに確認すると白いイヤホンのようなものだった。

「これは届けてあげないと!」

自転車を降りて拾い、また馬にとびのるがごとく自転車にまたがる。

お兄さんを追いかけねば。

しかし、私が拾っている間に、お兄さんはずいぶん遠くまで行ってしまった。

しかもお兄さんの自転車はロードバイク。

やけに速い。

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このまま追いつけなかったら、どうしよう...

不安がよぎる。

すぐに不安がってる場合じゃないと気を取り直し、自転車をもの凄い勢いでこぎ始める。

だけど全然追いつかない。

ギアを最速の3に変更する。

全速力で自転車をこぐ!

ほんの少し、縮んだ気がする!

心臓がバクバクする。

もうすぐ二差路だ。

なんとしてもその前に渡したい!

さらに全速力でこぐ!!!

お兄さんがカーブで減速する。

チャンス!!!

立ちこぎをしてラストスパートをかける!

お兄さんまであと5メートル!

「自転車のお兄さん!」

大声でお兄さんを呼ぶ。

お兄さんが気づかないのでもう一度叫ぶ。

「自転車のお兄さん!」

お兄さんがやっと気づいて減速する。

加速中の私は止まれない。

お兄さんを追い抜きがてら、「お兄さん落し物!止まって!」

アドレナリンが出過ぎて、妙に強い言い方になってしまった。

こんな言い方したくなかった...。私のバカ!

反省しつつ、自転車を止める。

「お兄さん、コレ。白いの落とさなかった?(はぁはぁ)」

「ああ、後輪のライトです!」

「お兄さん速いからなかなか追いつけなかったよ。間に合ってよかった〜!(はぁはぁ)」

「ありがとうございます!」

「じゃあね(はぁはぁ)」

爽やかに立ち去りたかったけど、息が切れすぎて、全然爽やかに立ち去れなかった...。

残りの駅までの道のりは、ふぬけ状態で、まるで夏のプールの後みたいに体がダルかった。

でも、いいことしたなーと気分は上々。

めったにこんなことはないけど、もっと体力付けて、いつでも全速力出来るようにしたい。

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(米粉のパウンドケーキ。てんさい糖入れすぎて、食べたらお尻と手が痒くなった。あと、鼻水も止まらず。気をつけなければ...)





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