マガジン

  • ステージ4のイラストレーター

    がん患者だったイラストレーターのUnicoさんとの思いでを書き綴ります。

  • 人類の未来に「ひかり」を

    経済格差は拡大を続け、気候変動問題は深刻化するばかり。資本主義は曲がり角に立たされている。「今」われわれは何をなすべきか。問題の真相を考察し、なすべきことを提案する。

最近の記事

第2話 キャラクター

依頼した仕事は、ストーリーの挿絵だ。まずは、キャラクターデザインを作ってもらうことにした。先生役1人と生徒役2人がメインキャラクターだ。最初にUnicoさんが書いてくれたのは、賢そうな先生と利発そうな生徒のイラストだった。今考えると、このイラストの方が正解で、それにあった原稿を書いた方がウケがよかったかもしれない。しかし、当時の私は、ドタバタ劇の中でストーリーを展開する流れの原稿にしたかった。  そこで、くせのある2頭身キャラでお願いすることにした。すると次のようなキャラクタ

    • 第2話 お金の正体

      第1話でお金が本来無価値であるのに皆が価値があると信じるため本当に価値が出てくる事を確認した。次に、より深く考えるために別角度からみてみよう。お金を手にするためには、誰かに物をあげるとかサービスをするとか誰かのためになることをしなければいけない。そういう意味で、お金は、誰かに何かをしてあげた証ともいえる。そのように誰かのためになることをした証であるからこそ、それと交換に財やサービスを得られるというわけだ。平たい言葉でいうとお金は「お返し券」であるともいえる。どのような種類のお

      • 第1話 お金の不思議

         資本主義の問題点を指摘する人たちはその欠点ばかりに目を向ける。しかし、資本主義には長所があるからこそ世界中に広がった。資本主義の長所に目を向けず資本主義の改変を考える事は危険である。長所を保持しない変化は改悪となる事があるからだ。ここでは、まず、資本主義の根幹をなすお金が一体どういうものなのかを考察することで資本主義の長所と限界を考察する。  お金は不思議なものである。古代、お金は金貨や銀貨など、それ自体で価値があるものだった。それが、金との交換が保証された証書(兌換紙幣

        • はじめに

           マルクスは、資本主義の終焉を予言した。しかし、現実には、そのような事は起こらなかった。資本主義を基本としながらも所得再分配や公共投資といった社会主義的要素を取り入れた混合経済を各国が採用し、それが機能していたからと考えられる。ソ連の崩壊を資本主義の勝利、社会主義の敗北と解釈する人々もいた。純粋な資本主義経済の下では経済格差が拡大していくが、国がお金の力を制御すればよいというわけだ。  しかし、現在、再び資本主義に対する疑問の声が高まりつつある。経済格差は拡大を続け、気候変

        第2話 キャラクター

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          3本
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        記事

          1節 ステージ4

          彼女にメールを送ったのは、ある夏の日だった。イラストを描く依頼のメールだ。なかなか返事は帰ってこない。再度、メールを送ってもダメだ。彼女のホームページをみるとしばらく活動してなさそうだ。もう活動をやめてしまったのだろうか?でも、私の直感は、「この仕事を任せられるのは、彼女しかいない」と告げていた。あきらめきれない私はホームページにある問い合わせフォームからもメールを送ってみた。 無理だったかとあきらめかけていたある日、返事のメールがやって来た。それは驚くべきものだった。

          1節 ステージ4

          下の絵は1人のがん患者の Unicoさんが書いたものだ。もうすぐ、時代遅れになってしまうこのコンテンツを彼女への感謝をこめて、コンテンツができあがる過程を書いていきたい。 以下の節につづく