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魔女になりたいあなたへの一冊

こんにちは。

いきなり本題に入りますが、
今回ご紹介する書籍は一般的な普通のハーブ本ではありません。
中世ヨーロッパでその名も「魔女」が使ったと言い伝えられる薬草のお話を書いたものです。

敢えて「ハーブ」ではなく「薬草」と記したところがミソです。
それは読めば分かります・・・とだけ言っておきましょう。

ドイツの魔女を語らせたらきっと国内では右に出るものはいないお方。
内容は随所に著者の私見が入っておりますが、それもまた味わい深しです。

びっくりするほど私好みで面白いのですが、
これはただのハーブ本だと思って購入するとえらいことになります。
*エグイ描写も出てきますので、心臓のお悪い方はこの先の閲覧ご注意くださいませ。

何故かというとですね、いきなり
「空飛ぶ軟膏」のレシピがいとも平然と載っているからです。
それはかつて魔女たちが空を飛ぶために身体に塗ったもの(らしい)
いやもぅヤバいぐらい面白い。

【魔女の軟膏】レシピ
・新生児の肉
・ケシ
・イヌホオズキ
・トウダイグサ
・ドクニンジン
これらを似て粥状にする

「魔女の薬草箱」P37より抜粋

魔女の軟膏のレシピはいくつか存在するらしいですが、
これが一番「げっ」と思ったので上げてみました。
人間の脂肪・新生児の肉などは良く載っているそうなのですが、
これにはちゃんとした理由があるわけでして

軟膏は塗りやすくないといけないので、
動物の脂肪を入れることが多い。
その脂を人間の脂肪や新生児の肉から採るところがいかにも
「魔女の軟膏」らしく見せる。

同書・P38より抜粋

いやいや、そもそも動物性油脂が必要なら牛とか豚でもよかろうもんですが、「人肉」を取り扱うところに身の毛もよだつわけでね(;^ω^)
その他、使われている薬草(ハーブ)の解説も歴史的背景や言い伝えを盛り込み面白さを増しています。

中世に描かれた挿絵が更にそのおどろおどろしさを助長させ、
ある種のワクワク感さえ感じます。
私はきっと前世で「魔女」だった時代があったのだろうと思うほどに。

さて
マンドラゴラと言う植物をご存じでしょうか?
「魔法の薬草の王様」と言われ数々の妖しい伝説に満ち溢れた植物です。

根が太く二股に分かれてるのでまるで人間の下半身の様相。
アトロピン、スコポラミンという毒成分を持っていることもですが、
掘り起こすと葉の部分が人間の頭(髪)のようで、全容がまさに人間の姿になるということが「魔法の薬草」たる所以でしょうか。
雄と雌があり、雄と雌では花の色が若干違うようです。

言い伝えとして残っているものに、
この植物の根を掘る時のエピソードが実に恐ろしいのですがこちらでは記述を控えますので、興味のある方はググってみてください。結構出て来ると思いますよ。

ある時好奇心からどうしても実物を見てみたくなり、
通販で売られているものをポチろうかと思ったことがありましたが、
もし大きく育って根を掘り起こさないといけなくなったらきっと怖すぎて出来ないよね~と思い・・・(;^_^A
やめておきました。あ~怖すぎる。

そして薬草・ハーブ・ドイツと言えば必ず出て来るのが
ヒルデガルト・フォン・ビンゲンですね。

この書では「魔女=賢い人」として上手に繋げて着地点を持ってきています。
或いは「惚れ薬」「媚薬」「性的癒しの薬草」などなど・・・
人間の「陰」の部分は興味津々です。

女性に役立つ薬草として「ヨモギ」の歴史的背景からの記述が実に面白いのですが、
どの時代もそしてどの国でも
西洋でも東洋でも植物からの恩恵は本当に全く同じであり、
もっと言えばスピリチュアル的にもメディカル面に於いてもどの部分を切り取っても言っていることに誤りがなく「同じ」で、

何千年も昔から人類(動物)は
植物から魂を受け取り、肉体を癒し(治し)てきたんだな・・・
と畏敬の念を抱かずにはいられません。

この本に書かれているレシピは実際には使えるものは殆どありませんが、
「何故このようなレシピが存在したか」の深掘りをすることが出来ます。

何故「空飛ぶ軟膏」の材料にこの薬草が使われたのか?
を紐解く作業がまたたのし♬

・・・というマニアックな方にぜひともお勧めしたい一冊であります。

裏表紙に描かれたマンドラゴラの雄。
因みに表の表紙は雌のマンドラゴラです。



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