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【体調記事】ADHDとはどういうもの?

ADHDとは何かわからない、という人は多いと思います。ASDは現在は自閉スペクトラム症と言いますが、自閉症やアスペルガー(症候群)といった形で聞いたことはある、という人はいるかもしれません(理解しているかどうかはまた別として)。しかしADHDは聞いたことすらない、という人はわりと多数だと思います。なので今回はADHDの解説をしてみたいと思います。
一応書いておきますが、私はASDのほかにADHD(あとDCDとLDも)を持つ発達障害当事者です。


ADHDとは?


ADHDというのは注意欠如多動性障害のことです。なおこれは症状の現れ方によって3つのタイプに分けられ、1つめは「不注意優位」、2つめは「多動・衝動性優位」、3つめは「混合して存在」とされます。

なお追記的にはなるのですが、発達障害ADHDはASDを同時に発症し、ふたつのタイプが混ざって、さらにわかりにくい状態で特性が表れることもまれではありません(むしろ多い)。

それぞれのタイプ概要


それぞれのタイプの特徴を書いていきます。

「不注意優位」


「不注意優位」ですが、これは注意力散漫な傾向が強いタイプを表します。
そのため簡単なタスクでも実行力が低い、用事を忘れてしまう、聞き漏らしや忘れ物が多い、といった傾向が現れます。

「多動・衝動性優位」


「多動・衝動性優位」ですが、これは常になにか動いてなければ辛い傾向(こういう状態を多動の傾向といいます)を持ったり、自前の衝動性によりとっぴな行動(衝動買いといったほかに、危険行為なども)を取ったりして、意思決定の傾向に衝動性があらわれがちな傾向があります。
多動傾向のため、おちつかない人間、という印象を持たれたり(特に多動は子供のころに出やすい特性なので学校で叱られる原因にも)、怪我の原因となる行動を取りやすかったり、衝動性を基盤に行動をするため、話しあいがうまくできなかったり、話を遮ることが多く人に嫌われやすくなったり、などがあります。他にも常に新しい情報に反応する傾向が強くなり、消耗が一般の人より早い傾向があります。

「混合して存在」


不注意と多動・衝動性が混ざり合って出てくる特性です。これらは同時に存在する、というより、不注意と多動・衝動性が交互に表れるケースが多いです。特性は前述のとおりです。混合して存在すると、ADHDでよく言われる特性の、掃除がうまくできない・片付けられないという困難がより強く表れる場合もあります。

その他の特性


ほかにも朝が苦手だったり、なかなかやる気が起こらない傾向がでるほか、光や大きい音に弱い、という傾向が出ることもあります。

発達障害の見え方


なお発達障害というものは、本人らはもともと脳の作りが多数派と異なるゆえ、多数派と違う行動を取ってしまうのですが(それゆえ叱られやすいという特徴がある)、本人らはふざけているわけではなく、至って真面目に行動をしているだけなのです。それでも周囲の人にはそれが過失、もしくはわざと嫌がらせをしているように映り、嫌がられることがあるようです。

ADHDの治療


それではADHDの特性はどのように直せばよいのでしょうか。とはいえ生まれつきの脳の作りは変えられないため、根本的なところから治療する、というやり方は向かないでしょう。ちょっと向いている方向を変える、といった手助けで生活を改善するやりかたが向いていると思います。

タイマー等を使っての生活コントロール


ADHDの場合、時間管理ができないことが多いので、こまめにタイマーをつけておくことにより、やり過ぎやもの忘れを防ぐことができる可能性があります。

タスク分割のコントロール指導


しなければならないこと、タスクを一度にこなすのではなく、細かくできそうなことから少しずつ実行すればいつかは実行できる、という区切り方を教えると、計画性が身につき、達成感も得られるようになります。

外部刺激を減らす


あらかじめ周囲に環境的な配慮を求めることも必要なことです。音が苦手な場合は耳栓・ノイズキャンセリングイヤホン等の使用許可を求める、光が苦手な場合は窓際の席を避けさせてもらう、などがあります。

薬物治療


ASDの場合は薬物治療の方法は現在(2024年2月)ないのですが、ADHDの場合薬物治療での治療法があります。簡単に説明すると、これは薬で脳内のドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の量をコントロールして、ADHDの特性が強く表れない状態にするのです(なお薬は現在、刺激薬と非刺激薬の二種類が存在しています)。
特性があまりにも強く出ていて、困難を感じている場合は薬物治療を考えてみてもいいでしょう。なお、その際は専門家にきちんと相談をしたうえでの服薬にしましょう。

まとめ


ADHDの特性は基本、あわてんぼうのせっかち、と見られがちになる特性が多いです。他にもとくに子供のころは精神のコントロールが上手くいかず、かんしゃくを起こしたり、周囲とトラブルを起こしてしまうことも多々あります。
発達障害をもち生活する上では周囲に配慮を求めることになるケースがかなりあります。子供の場合は学校に、大人の場合は職場に配慮をもとめたほうが上手くいくことがかなりあるので、発達障害のカミングアウトについては、したほうがプラスになることは多々あるかもしれません。ですが無理解な人(特に団塊の世代あたりに多い、そもそも発達障害という概念がない世代なので)には無理に言わなくてもいいとは思います。
当事者が生きやすくなることを第一に考えてみましょう。

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