不登校寸前だった息子の復活
こんにちは。さなぎです。
息子がN中等部に入学してもうすぐ5ヶ月を迎えようとしています。
小学校時代、彼は間違いなく『不登校予備軍』でした。
そのまま地元の中学校に進学をしていたら100%通えていなかったことでしょう。
中学受験を考えたものの、大人数が苦手なこともあり断念。
「中学校は仕方ない、高校はN高に通ってそこからリスタートかな」なんて半ば諦めかけてN高等学校のHPを開いたわたし。
HPの一番下にある『N中等部』という文字を見た時、直感で「ここだ」と思いました。
今回は彼の決断、親として思うこと、今の気持ちをお話していきます。
ぜひ最後までお付き合いください。
それでも彼は通い続けた
思えば保育園時代。
彼はレゴブロックが大好きでした。
何かに夢中になるとひたすら作業をする。
周りに遊びに誘われても何のその。
”今やりたい”が優先されるタイプ。
保育園は楽しく通っていました。
なぜなら「一人でいても肯定されたから」。
小学生となり、通学班という団体行動が始まります。
通学班ではこんなルール。
必ず1列に並ぶ
周りと会話せず淡々と歩く
列を乱さないように歩く
周りのペースに合わせる
そう。言い方を恐れずに言えばいわゆる軍隊のような決まり。
小学生になると行動出来る範囲をギュギュっと狭くされます。
学校でも同じ。
みんなで一斉に先生の授業を聞く
みんなで給食を準備して食べる
みんなで並んで図書室へ行く
決められたクラスで1日を過ごす
休み時間は基本クラスの子と遊ぶ
苦手だろうが体育や音楽がある
挙げたらキリがないほど、集団行動を強いられます。
それが合っている子はいいでしょう。
少なくとも息子にはとても辛い時間でした。
特にクラス内で作らないといけない”お友達”。
そういえばわたしも苦労したなぁ。
でもお友達を作らないと休み時間が辛い。
今はあまり「自由にグループ作ってねー!」ということは無くなりましたが、わたしの時代はそういうことが普通にありました。
わたしはそこではなんとかクリアしていましたが、妹がポツンとしていたのを今でも鮮明に覚えています。
本人が寂しかったかどうかは聞いていません。
しかし感受性が異様に強いわたしの脳内にはこびりついています。
「一人じゃいけないんだ」
「一人は寂しそう」
「一人は嫌だ」
こんな感情が親になっても残っていたのです。
その気持ちを息子も経験するのかと思うと心がソワソワして、わたしの方がおかしくなりそうなくらい悩みました。
幸いにもクラスに1.2人、いつも息子を気遣ってくれる子がいました。
でもやっぱり本人は辛い。
毎日寝る前にシクシク。
日曜日の夜は苦しくて夜更かし。
月曜日は教室前の階段でストップ。
5年もこんなことを繰り返していたのです。
本当によく頑張ったと思います。
6年生に進級。
ここで起きた最大の出来事は「担任が学年主任」だったこと。
ハッキリしていてわたし的には好きな先生でしたが、息子からしたら苦手な先生だった様子。
ここから一気に息子の様子がおかしくなりました。
加えて仲の良かったお友達とクラスが離れた。
自分以外の2人は同じクラス。
「なんでボクだけクラスが違うの😢?」と言っていたのを覚えています。
確か配慮はお願いしたのだけどな…でもそんなこと言っても仕方ない。
急激に学校に行きたくなくなってしまった。
6年生になると中学に向けてさらに集団行動を強いられます。
いや、というか中学校に入ったらもっと色濃くなります。
5月ごろから明らかに顔色が悪くなりました。
そしてついにこう伝えてきたのです。
「ねぇ、あと3年間頑張ったら楽しくなるのかな」
3年間というのは”中学校”のこと。
「中学校さえ耐えれば、高校は楽しく通える場所なのか」という問いでした。
……
「確実に楽しい場所だよ」なんて口が裂けても言えなかった。
なぜならわたしは高校1年生が一番学生時代で辛かったから。
このままではいけない。
受験ではない選択肢を探さなければ、この子が潰れてしまう。
そんな時に見つけたのがN中等部でした。
N中等部の体験で目の色が変わった
”この子、中学校はきっと苦戦するだろう”
わたしも夫も確信がありました。
でも中学受験以外に選択肢がない。
いや?選択肢は本当にないのか?
それ以降、何か別の場所はないかと探し続けました。
市が運営する支援センターも勧められましたが、私たちは”単なる居場所”を探しているのではない。
もはや「全く別の場所」が良かった。
その中にはフリースクールもありました。
しかしどうしても”時間を過ごす場所”感が私たちにはグッとこない。
違うんだよ。もっと違う角度がいいのだよ。
なんか面白いことしてくれそうで、現代的なことやってそうなところ。
学校のスクールカウンセラーにもお世話になっていましたが、これといって真新しい情報は見つからず。
「こりゃ一旦地元の中学になるか」と諦めていた矢先にN中等部のHPに辿り着きました。
ー N中等部はプログレッシブスクール ー
ほう。なんだろうそれは。
ざっとHPを読み、「ここかもしれない」とピンとくる。
一般的なフリースクールとN中等部の明らかな違い。
それは”パソコンをフル活用しているかどうか”。
現代はデジタルな時代です。
パソコンを使った仕事につくとしたら、パソコンに触れるのは早い方がいい。
集団行動は苦手だけれど、彼はまっすぐ頑張ることは出来る子。
今このまま地元中学に進学して、学校に行けなくなって自己肯定感が下がってからN高に進学するのか。
それとも思い切って入学からN中等部に通わせて自己肯定感を上げるのか。
私たちの答えはもちろん後者。
自己肯定感を上げるのも早い方がいいに決まっている。
問題は学費だ。
公立中学でもない場所に年間100万を超える出費を夫が許すか。
怖いけれど伝えてみよう。
わたし「N中等部って知ってる?N高の中学ver.があるんだって」
夫、スマホですぐ調べる。
夫「え、ここいいじゃん!こんなとこあるんだ…(調べてから)合ってるかもよ」
なんと即受け入れた!
ちょうど翌週がキャンパス見学。
夫の「来週見学があるよ、行ってみようよ」の一声で見学を申し込みました。
翌週、キャンパスのあるビルに到着。
実際に話を聞いて、体験をして息子が一言。
「ここに通いたい、通う」
こんなにも目をキラキラ✨させた彼を見たのは初めてではないだろうか。
N中等部の通学コースはちょっとした入学テストがあります。
それに向けてコツコツ勉強し、苦手な作文などもクリア。
全ての入学手続きを終えたのが2月。
わたし自身も地元中学とのやりとりが終わったのは2月でした。
環境でこんなに変わる
2023年4月、息子がN中等部と地元の中学校に入学しました。
環境が変わって5ヶ月が経とうとしていますが、まるで別人のように変わりました。
プレゼンなども挑戦している
各種ワークショップにも積極的に参加
バーチャル留学に参加
zoomで顔出し出来るようになった
一人でキャンパスに通えるようになった
小学校の頃は発表は大嫌いだったし、英会話も画面に映るのが嫌で仕方なかった。
一人で何かをすることを極端に恐れていました。
今、彼は全然違います。
毎日が楽しくて、毎日が充実している。
夏休みが終わるのが楽しみだそうです。
こんな彼を見たことがなかった😂
ときどき思います。
「あのまま地元中学に通っていたら」
きっと今頃夏休みが終わるのが嫌すぎで、毎日落ち込んでいたことでしょう。
変わりたいと思う息子の気持ち
通うための環境を作ってくれた夫
仕事を減らしてサポートに徹したわたし
それぞれが前を向いたからこそ、あの選択が出来た。
私たちは目先の「通えている現実」より「未来のための自己肯定」をとった。
自己肯定感を下げるのは簡単ですが、上げるのは本当に大変。(まるでお金のよう💸)
学校に通うことは目標ではありません。通り道。
通り道なのだから、少し脇道から回っていってもいいのではないか。
戻りたければいつだって戻れる。
脇道に逸れることがどれだけ勇気のいることか。
自分のことが好き!と思えてこそ、やりたいことも見つかる。
私たちの住む地域では息子は間違いなく”ファーストペンギン”。
ファーストペンギンらしく、泥臭くやってやろうじゃないか。
勇気を出して環境を変えた者だけが体験出来る世界もあると思います。
その扉を開けた息子を誇りに思います。
私たち親がここから出来ること。
それは”見守る”こと。
本人が自分で考え、自分で行動を起こす。
どうしても親は口を出してしまいがちですが、そこをグッと堪える。
これは親もある意味修行かもしれないぞ。
この貴重な経験はnoteにそっと記録しておくとして、見守りに徹しようと思います。
今回はここまで。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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