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音に癒される

仕事を終えたとある夕方。最寄り駅に着いた直後の心境は、

「今日はくたびれているし、夜にオンライン授業を担当するのよね。だから一刻も早く帰りたいな。首肩背中がガチガチだから、帰宅してストレッチもしたいし。ならばこそ、最短ルートで帰らねば。」

こう思った。

駅から自宅までは、市道をメインに歩けば早く到着する。ただ、ここは車や自転車、人通りが多く、歩く際には気が抜けない。騒音とまでは言わないが、車の音がするのだ。疲れた体にはちょっときつい。

そこでその日は最短道路ではなく、あえて別ルートへ。そちらは歩行者専用の歩道があり、静か。犬を散歩させる人、ウォーキングやジョギングに励む人が通るぐらい。遠回りだが、そこを歩くことにした。

途中には水門があり、そこを流れる水の音がする。音だけに注目すれば、まるで温泉街のせせらぎのよう(←想像力大事)。さらに耳を傾けると、上空の飛行機音、すれ違う自転車の音、子どもたちの遊ぶ声や鳥の鳴き声などがした。しっかりと「聴くこと」に集中すると、実に多様な音が耳に入ってくる。改めて、世の中には様々なサウンドがあるのだなと感じた。

家まで少し時間はかかったが、そうした音に癒されながら脳もクールダウンできた。最短距離は効率的かもしれない。でも多少の遠回りがかえって心の安寧をもたらしてくれた。


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