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本との付き合い方

以前の私は本を「大人買い」していた。当時の職場は千駄ヶ谷にあり、そこから裏道を歩いていくと新宿南口に着く。当時まだあった紀伊國屋書店へよく立ち寄っていた。

到着するとまずは最上階へ。そこから全フロアをくまなく見ながら、かごに本を入れていく。買う基準は「ひらめいたもの」すべて。直感で買っていた。洋書も理系も医学の本も、「読みたいな」と思ったら選んでいた。ものすごい量になり、金額も半端なかったが、嬉しかった。宅配という手もあった。でもすぐに読みたかったので、そのまま購入。お隣の高島屋にお気に入りのカフェがあったので、そこへ向かい、買ったばかりの本を読みふけっていた。現実逃避の時間だった。

しかし、それを続けているうちに読書スピードが購入量に追い付かなくなっていった。その後、大学で勤務するようになったので、「購入派」から「借りる派」へと転身した。今はもっぱら大学図書館と自治体図書館を愛用。読み始めるもイマイチと思った本は迷わず返却できる。書き込みはできないけれども、今の私のライフスタイルには合っている。

地元図書館はネットで予約をしておくと、カウンターにお取り置きしてくれる。書棚を探す手間が省けて便利。通知メールが来ると取りに行く。量が多いので大抵は車だ。週末に出かけてごっそり借りて帰宅する。

が、いざ読み始めてみると、「あれ?なぜ私はこの本をリクエストしたのだろう?」と思うものもある。はるか昔に請求しておいて、熱が冷めてしまったのだ。その場合、ざっとページをめくるにとどめている。

もう一つ。

借りてはみたものの、今の自分には内容的に「キツイ」ものもある。文章が「指導モード」で自分が縮こまってしまったりするような場合。心が強いときは良いけれど、疲れている際にそうした本はかえって消耗する。

本というのは本来自分を元気にしてくれるもの。だから波長が合わないなら無理に読まなくて良い。次の利用者のためにも早く返却するが吉なのだ。

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