波はある

落語好きの友人に感化されて、最近落語にはまっています。とはいえ、それほど通なわけでもなく、テレビなどで知った噺家さんの独演会に行くぐらいです。寄席デビューはまだ。興味はあるのですが。

先日出かけたのはさいたま市民会館いわつきで開催された「春の爆笑寄席 いわつき芸人三人衆」。3名はいずれも岩槻出身。お目当ては三遊亭楽生(さんゆうていらくしょう)さんでした。

楽生さんを知ったのもこれまた偶然です。もう10年以上も前のこと。地元テレビ局が親子公開イベントを開催し、抽選で当選。その番組の司会者を楽生さんがしておられたのです。収録後は参加者たちと気さくに応じて下さいました。それで数週間後の独演会を江戸深川資料館で楽しんできたのでした。

あれからずいぶん年月が経ち、たまたま今回の寄席を知り、チケットを購入。オオトリの楽生さんはマクラから観客が大爆笑!そして本題へと進みました。が、聴いているうちになぜか私はデジャヴュに。

「ん?これ、もしかして深川で聴いた、あの超楽しい噺???」

となったのです。話が展開するにつれて、やはりそうでした。「伊八~~~」の掛け声が特徴的な「宿屋仇」というタイトルです。これもまたうれしい偶然でした。

ところでマクラの部分で楽生さんが語っていたことが心に響きました。この2年間を振り返ってのコメントで、

「波のある時はおとなしくする」

とおっしゃったのですね。「生きていれば大変なこともあるから、そういうときはジタバタせず、波が収まるのを待つ」と私は解釈しました。私などつい焦ってアクションをとりたくなってしまうのですが、荒波が過ぎ去るのを見届けるのも大切だなと思います。

「伊八~~~」が楽しかったのはもちろん、心に響くことばをお土産に頂いたのでした。

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