トップガンマーヴェリックとマッカーサー

 トップガンマーベリックが公開されて2ヶ月が経とうとしていますね。興行収入はタイタニックを超えました。

 それだけ世界で話題になっているトップガンマーヴェリックのメッセージを読み解いていこうと思います。

 そもそもトップガンという映画は86年に公開されました。海軍のパイロットのトップを集めたトップガンと呼ばれる集団の話です。この映画は前作と合わせて見ることでとても深みが出てきます。

 今作はグースの息子「ルースター」が出てきます。彼はあの事故のことを知っていてマーベリックのことをよく思っていませんでした。またマーベリックもルースターとの問題をとてもセンシティブなものとして扱っており二人はどのようにして協力していくのでしょうか。しかし、二人の中に変化が起きていきます。アイスマンがマーヴェリックに放った
「過去は水に流せ」
この言葉がグースの呪いから二人を解き放っていきます。
最後はマーヴェリックとアイスマンを中心とした写真と同じ構図でマーヴェリックとルースターはお互いを抱きしめます。前作ではライバルからバディへ、今作ではトラウマから師弟関係へと変化しています。この師弟関係の中にメッセージがあり、それが今作の一貫した姿勢となっているのです。
それを今からお話ししましょう。キーワードは「老兵は死なず、ただ消えるのみ」です。

 この言葉をまず戦闘機で見ていきましょう。今作の中心となる戦闘機はF/A-18 ホーネットで前作のF14 トムキャットはもう退役した機体なのでした。ホーネットとトムキャットは第四世代戦闘機に位置付けられていますが今作で出てきたホーネットは4.5世代といってもいいぐらい改造されたバージョンでありました。もうマーヴェリックとグースが乗っていたトムキャットは老兵であり、プレイヤーではないことがわかります。最後、F14を奪取する時にルースターは「古代の遺跡かよ!!」とジョークを言っています。トムキャットが空母に着艦する時にに前輪が外れた状態で着艦しました。恐らく、前輪が離陸する時にぶつけて外れたという演出はただ外れたのではなく、もうF14は現役ではないことを明確に示したのです。前輪がなくなり滑り込むように着艦した姿は体力を使い果たし、任務を全うした軍人そのものです。退役ならあの時ミサイルに撃たれて墜落してもよかったのでは?と考える人もいると思います。それではだめなのです。F14はトムクルーズの俳優としての価値を最大化した機体であり、アメリカ海軍の一時代を築いた機体です。そんな機体が撃墜されて退役を表すのは敬意がかけています。敬意を込めてあのような演習になったのだと思われます。そしてこの後飛行機墓場へと送られて墓場で眠らせてあげるのでしょう。またマーヴェリック自身もパイロットとして出なくトップガンを見守る教官として描かれています。(とはいえトムクルーズらしくしっかり飛んでましたけどね笑)主役はルースターやハングマン達であるのです。
 マーヴェリックが乗った機体の順番もチェックしておきましょう。ホーネット→トムキャット→マスタング(プロペラ機)とどんどん古くなっていきます。どの機体もアメリカを代表する戦闘機です。とくにマスタングは第二次世界大戦での最優秀機体とされています。ではなぜこのような順番になったのでしょうか??ホーネットは現役として飛び続けています。トムキャットはあの形をもってマーヴェリックと一緒に完全引退とされました。最後のマスタングはどうでしょうか??ヒントは最後の演出です。二人を乗せたマスタングは空をとんで最後は画面左へと消えていきます。そうなのです。マスタングが消えていくことはマッカーサーの名言である老兵は死なず、ただ消えるのみを意味しているのではないでしょうか??時代は常に移り変わっていきます。栄光をつかんだ者もいつかは時代に置いてかれてしまうのです。盛者必衰とはこのことだと思います。

いかがでしたか??トップガンが気になった方は是非劇場に足を運んでみてくださいね!

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